前営業日トピックス
日米の政治情勢に対する思惑が引き続き材料視され、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。米国債利回りの上昇を受けて、一時ドル買い・円売りとなる場面もあったが、その後は日経平均株価の下落を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。その後、英国のEU離脱後の移行期間中の条件について合意したとの報道を受けて、ポンド円が上昇となり、これに連れてドル円やその他のクロス円も堅調な動きとなった。
米国市場では、主要な米経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、欧米の主要株価が大幅下落となったことを受けて、円の買い戻しが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、引けにかけてはやや値を戻した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日米政治に市場参加者の関心が高まっており、参院予算委員会での集中審議が行われることから、やや思惑が先行し、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、米国債利回りが上昇し、特にFOMCを控えて政策金利の動向に敏感な2年債利回りが2008年以来の2.30%まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円が上昇する場面もあった。しかし、日経平均株価が300円以上の下落となったこともあり、軟調な動きとなった。
(2)その後は、新規材料に乏しい中、参院予算委員会で森友問題の集中審議が行われたこともあり、上値の重い動きが続いた。しかし、英国とEUが、EU離脱後の移行期間中の条件について合意したことが材料視され、ポンド/円は1.5円以上の上昇となった。そして、ポンド/円の上昇が影響し、ドル円やその他のクロス円も堅調な動きとなった。
(3)フェイスブックの個人情報が、2016年の米大統領選でトランプ陣営を支援した英企業に不正利用されたとの報道を受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は105円台まで下落したものの、FOMCでの利上げ決定が確実視されていることもあり、105円台での底固い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日に続き、米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、引き続き株価などの動きが影響する可能性が考えられる。ただ、本日からFOMCが始まることから、やや様子見ムードが強まることも考えられる(政策発表は21日午後2時、日本時間22日午前3時)。特に、今回は追加利上げが確実視されていることから、ドルは比較的底固い動きが続く可能性が考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ポンド/円は、一目均衡表の基準線を上抜けて一段の上昇となっており、ここから一段の上昇となるのか、また156.60からの144.97までの下げに対する38.2%戻しを達成しており、やや失速となるのか注目したい。基準線、転換線がクロスしていることや、オシレーターのMACDで両線が上向き継続していることもあり、堅調な動きを示唆するチャート形状となっている。
上値のポイント
(1)149.66(前日高値)(2)150.00(レジスタンス)(3)150.92(重要レジスタンス)
下値のポイント
(1)147.94(基準線)(2)147.05(前日安値)(3)146.23(サポート)
気まぐれ投資コラム
利上げペースに関するヒントはあるのか
今回のFOMCでは、0.25%の利上げが確実視され、金利先物市場における利上げ予想確率も100%と、マーケットでは織り込み済みとなっています。そのため、利上げ発表を受けた反応は限定的となるとの見方も出ています。マーケットの注目は、年内の利上げのペースに移っており、年3回なのか4回なのか、声明やFRB議長の会見での発言でヒントがあるのか注目されています。
また、注目の一つとして、メンバーの「ドット・チャート(FOMCメンバーが予想するFFレートの水準を散布図化した政策金利の見通し)」も注目されています。前回発表された昨年12月時点から上方修正されれば、ドル相場には支援材料となる可能性が考えられます。ただ、米国の金利上昇観測が2月の株価下落の引き金となったことや、米経済や政治の先行き不安が出たこともあり、マーケットでは、利上げペースの加速観測の後退との見方も出ています。21日午後2時(日本時間22日午前3時)に政策が公表され、その後、パウエルFRB議長が記者会見をする予定となっています。
※出所:SBILMがデータを基に作成
※出所:SBILMが作成