前営業日トピックス
東京市場では、イタリア総選挙の出口調査が発表されたことを受けて思惑が交錯し、ユーロはやや乱高した。そして、日経平均株価の下落が加わり、リスク回避の動きからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、日銀副総裁候補の雨宮氏と若田部氏の所信聴取が行われたが、マーケットへの影響は限定的だった。ただ、ユーロは欧州勢の参入とともに、対ドルや対円で軟調な動きとなった。
米国市場では、トランプ米大統領が表明した鉄鋼などの輸入制限を巡り、貿易戦争につながるとの懸念がやや和らいだことや、下落した株価が大きく上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)イタリアの総選挙の出口調査が発表される中、思惑が交錯したことで、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。特に、ユーロはやや値動きが大きくなった。また、商業決済が活発になる五・十日であったが、目先の値動きを見極めたいとの思惑から、実需のフローは限定的だった。
(2)日銀副総裁候補の雨宮理事と若田部早稲田大学教授の所信聴取があったが、マーケットへの影響は限定的だった。ただ、イタリア総選挙はハングパーラメント化し、不透明感が高まっていることから、ユーロは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
(3)トランプ米大統領が表明した輸入制限に関し、カナダとメキシコを対象国から除外する可能性を示したことに加え、与党共和党のライアン下院議長が輸入制限に反対を表明し、大統領に計画撤回を求めたことから、貿易戦争につながるとの懸念がやや和らいだ。また、米主要株価が堅調な動きが続いたことも好感され、リスク回避の動きが後退し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
世界的な株価上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きが期待されている。ただ、ユーロは、イタリア総選挙の結果を受けて、政局の先行き不透明感が高まったことや、マーケットで8日のECB理事会でのフォワードガイダンスの変更予想が撤回されていることなどが圧迫要因となり、上値の重い動きが続く可能性が考えられる。そして、トランプ米大統領の通商政策の内容を見極めたいとの思惑もあり、積極的に買い難いとの見方も多いことから、状況を見極めたい。また、米当局者の発言や、イタリアの政治関連、米国の関税に関する要人発言などを受けて、相場が動く可能性もあることから、発言内容には注目したい。
一方、テキサス州で11月に行われる中間選挙の候補者を決める予備選が本日から始まることから、政治関連の報道などが多くなることも予想され、マーケットへの影響も警戒したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、安値更新後に再び値を戻しており、ここから重要なポイントまで値を戻すのか、再び失速となるのか注目したい。オシレーターのMACDではやや参考になり難い相場展開となっており、より敏感(短期)なストキャスティクスで見ると、両線が上向きとなっている。また、一目均衡表の基準線を見ると、週末までは107.86で横ばいが続くが、13日には107.51まで低下、そして、16日からは低下が続く(105.25を下回らない場合)。このことから、堅調な動きは今週までか。
上値のポイントは
(1)107.00 (2)107.42 (3)107.86
下値のポイントは
(1)106.15 (2)105.75 (3)105.25