前営業日トピックス
東京市場では、仲値公示近辺にかけては、実需のドル買い・円売りなどがあり、底固い動きが続いたものの、その後は黒田日銀総裁の発言などが影響し、円買いが強まった。また、前日のトランプ米大統領の関税に関する発言も引き続き材料視され、ドルが軟調な動きとなった。ドル/円は一時105.25まで下落した。その後は、値頃感の買い戻しも入り、ドル/円は底固い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ大統領が高関税の賦課方針を表明したことを受けて、株価が大きく下落となり、リスク回避の円買いが強まった流れを引き継ぎ、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。仲値公示にかけては、ややドルが買い戻されたものの、日経平均株価が600円以上下落したこともあり、仲値通過後は再び軟調な動きとなった。
(2)黒田日銀総裁の衆院議院運営委員会での所信聴取で、必要あればさらなる緩和も検討すると発言したことが影響し、円が売られる場面もあった。しかし、その後19年頃に物価目標達成なら出口検討と発言したことに反応し、円買いが優勢となり、ドル/円は2週間ぶりに105円台まで下落した。
(3)黒田日銀総裁の発言に加え、トランプ大統領が関税の賦課方針を表明したことが引き続き材料視され、ドル円・クロス円は軟調な動きが続き、ドル/円は一時105.25まで下落し、2016/11/10以来の安値を付けた。
(4)ドル/円は、約1年4ヵ月ぶりの安値を付けたことから、値頃感の買い戻しが入るなど、底固い動きが見られたものの、ドルは他の主要通貨に対しては上値の重い動きが続いた。クロス円は、序盤に大きく下落した株価が下げ幅を縮小したことが影響し、底固い動きが続いた。
本日のトピックス
注目されたドイツ第2党の社会民主党による党員投票で、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟との連立に加わることを決定し、メルケル首相の第4次政権発足となった。しかし、イタリア総選挙の結果次第では、ユーロ相場に影響する可能性もあり、最終的な結果に注目したい。特に、ハングパーラメントになる可能性もあり、その場合には混乱が尾を引く可能性もあるだろう。
米国市場では、週末に米雇用統計を控えていることや、今週中に米国の関税に関する内容が発表される予定であることから、様子見ムードが高まり、やや上値の重い動きが続く可能性が考えられる。
3/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
2月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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58.7 | 59.9 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、2005年8月以来の高水準となった。新規受注と雇用の伸びが寄与した。今回は、前回から若干の低下が予想されているが、依然として高水準域で推移することから大きな懸念にはならないだろう。また、先に発表された製造業景況指数が良好な結果となったことから、予想を上回るとの見方も一部では出ている。 |
気まぐれ投資コラム
満月の後の動きは?
先週末の3/2、その日の夜空にはきれいな満月が見られました。
相場と月齢サイクルはよく話題になることも多く、相場を予測する上での一つの要素とする見方もあります。特に、満月や新月が人間の心理に何らかの影響を与える可能性がある、ということは昔から言われていることですが、今年のドル円相場にも影響しているのでしょうか?
今年のドル/円相場は、満月や新月近辺でボトムを付ける傾向が続いています。そして、その後は相場が反転する動きとなっています。先週末の3/2にドル/円は105.25まで下落し、2016/11/10以来の安値を付け、ボトムを付けた形となっています。ここから、これまで同様に値を戻すのか注目です。そして、月齢では3/17(土)が新月となります。
※出所:FX総合分析チャート 日足