前営業日トピックス
東京市場では、前週末の米国市場の終値からギャップアップして始まった。しかし、実質的な月内最終売買日であり、実需を中心にドル売り・円買いが優勢となった。また、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、米長期債利回りが低下したことも影響し、円買い・ドル売りが優勢となった。ただ、下げ一巡後は、欧米の主要株価が堅調となったこともあり、堅調な動きとなった。しかし、米住宅関連の経済指標が悪化したことから、ドルは上値の重い動きとなった。その後は、FRB議長の議会証言を控えて様子見ムードも強まっており、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末のニューヨーク市場の流れを受けて、ドル買い・円売りが先行し、ギャップアップして始まった。しかし、実質的な月内最終売買日であることから、本邦輸出企業の月末のドル売り・円買いの動きが強まり、仲値公示にかけてドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)一時300円以上の上昇となった日経平均株価が上げ幅を縮小したことで、投資家の積極姿勢も後退し、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。下げ一巡後は、値を戻したものの、時間外取引で米国長期金利が低下し、日米の金利差が縮小したことから、上値の重い動きが続いた。
(3)欧州主要株価が堅調な展開で始まったことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米新築住宅販売件数が市場予想を下回り、昨年8月以来の低水準となったことを受けて、ドルはやや上値の重い動きとなった。
(4)27日のパウエルFRB議長の議会証言を控えて様子見ムードが強まっており、ドルは終盤までやや限定的な動きとなった。一方、ドラギECB総裁が、「ユーロ圏経済は力強く拡大しているとしたものの、為替の変動は物価安定の見通しに影響を与える可能性があるため注意深い監視する」と述べたことを受けて、ユーロは主要通貨に対して軟調となる場面もあった。
本日のトピックス
当初、28日に予定されていたパウエルFRB議長の下院での議会証言が前倒しされ、本日27日に変更された。FRB議長就任以来、初めての議会証言であり、どのような発言をするのか注目が集まっている。特に、金融政策に関して、イエレン前FRB議長の路線を継承して、緩やかな利上げペースを示すのかどうかに注目したい。一方、相場に影響を与えないための手法を心得ており、相場に影響を与える新しいものは出ないとの見方もある。現時点で、議会証言の原稿公開が日本時間22時半、議会証言は28日午前0時からの予定となっている。それまでは、様子見ムードが強まる可能性が予想され、積極的には動きにくいだろう。
2/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
1月耐久財受注(前月比) |
-2.0% | 2.8% |
前回は、市場予想を上回り、昨年6月以来の高水準となった。変動の大きい航空機が上振れとなったことが影響した。今回は、前回の反動で航空機の大幅低下が見込まれており、全体が引き下げられるとの予想となっている。特に、航空機の変動が大きくなる場合には、輸送機器を除いたコア指数に注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
2月消費者信頼感指数 |
126.5 | 125.4 |
前回は、市場予想を上回る結果となった。現況指数が5ヵ月ぶりに低下したものの、期待指数は大幅上昇となった。今回は、前回から若干の上昇が予想されている。依然として高水準を維持していることから、大きな反応にはならないが、結果が良好ならドルは底固い動きに繋がる可能性もあるだろう。 |
気まぐれ投資コラム
マーケット参加者の心理の変化に注目
ドル/円のプットオプションとコールオプションの売買の傾きを示すリスクリバーサルは、昨年4月以来の低水準から急上昇となっています。ドル/円が1年3ヵ月ぶりの105円台まで下落したことで、さらなる円高にはなり難いとの見方が強まっており、市場参加者のリスク認識が和らいだことが影響しているようです。ただ、ドル/円はやや上値の重い動きが続いています。引き続きドル/円が上値の重い動きが続く場合には、市場参加者の心理が再び悪化する可能性も考えられます。
リスクリバーサルは、通貨オプション戦略の一種ですが、状況の変化を受けて敏感に変動することから、将来の方向性を暗示するものではありません。ただ、マーケット参加者の心理状況を示すものとして、マーケット参加者の相場観や警戒感などを読み取る指標として参考にされています。
※出所:データを基にSBILMが作成