前営業日トピックス
東京市場では、本邦企業のドル買い・円売りに対する期待感から序盤から堅調な動きとなった。そして、仲値公示近辺までは堅調な動きが続いたものの、仲値通過後は日経平均株価の下落が意識され、上値の重い動きとなった。その後は、米国債利回りの上昇などを受けて、円売りが優勢となった。
米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、限定的な動きが続いた。特に、翌日にFOMCの議事録公開が予定されていることから、様子見ムードも出ており、積極的な売買が手控えられた。一方、ダウ平均株価は、先週の上昇が一服し、利益確定の動きが優勢となり、7営業日ぶりに反落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国市場の休場明けで新規材料に乏しい中、先週安値を付けた後から底固い動きが続いており、五・十日で実需のドル買いニーズも高いとの思惑から、仲値公示にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、日経平均株価が下落して始まったことから、円買いも出てやや交錯する動きが見られた。
(2)日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、やや円を買い戻しが見られたものの、下値は限定的となった。その後は、米長期金利が時間外取引で上昇したことから、日米金利差拡大を意識した欧州勢の円売り・ドル買いもあり、 107円台まで上昇した。
(3)米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、小動きの展開となった。また、翌日にFOMCの議事録公開が予定されていることや、終盤に米2年債入札を控えていることから、積極的な売買が手控えられた。そして、米2年債入札では、最高落札利回りが2.255%となり、2008年8月の入札以来の高い水準となったものの、マーケットの反応は限定的となった。
本日のトピックス
海外市場では、ユーロ圏主要国の経済指標、米国の中古住宅販売、FOMC議事録公開が予定されており、結果が注目される。特に、前回の米FOMCの声明では、『さらなる』という文言が付け加えられており、これ受けて一部では年3回の利上げから3回以上の利上げの可能性を示唆しているとの見方も出ている。このことから、『さらなる』という文言の意味することが明らかになるのか注目したい。また、南アフリカのラマポーザ新大統領は、先週所信表明演説し、新政権下でこれまでの汚職・不正疑惑を追及する意向を表明した。本日は、ギガバ財務相の財政演説が予定されており、マーケットでは発言内容に注目している。
2/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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562万件 | 557万件 |
前回は市場予想を下回り、4ヵ月ぶりに前月比でマイナスとなった。一戸建て住宅、集合住宅ともに減少となり、4地域すべてで減少した。今回は、前回から若干の増加が予想されているが、FOMC議事録公開を控えており、大きな反応は期待できない。予想通りなら、ドルは底固い動きとなるだろう。 | ||||
翌4:00 | 米国 |
FOMC議事録公表[1月30日-31日分] |
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FOMCでは、全会一致で金融政策の現状維持が決定された。声明で年内のインフレ率が上昇するとの見方が示されたことを受けて、3月のFOMCでの追加利上げへの期待感が高まった。ただ、マーケットの織り込み度も比較的高いことから、議事録がタカ派的でも大きな反応は期待できないか。 |