前営業日トピックス
海外市場の流れを受けて、序盤はドル売り・円買いが先行した。ただ、日経平均株価が上昇して始まったことや、商業決済が集中しやすい五・十日で輸入企業のドル買い・円売りも入り、ドル円・クロス円は上昇する場面もあった。しかし、麻生財務相が、為替市場に関して「介入が必要なほどではない」と発言したことを受けて、円買いが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。下げ一巡後は、値頃感の買い戻しも入り、堅調な動きも見られたが、米国債利回りの低下が影響し、軟調な動きとなった。その後はやや薄商いの中、思惑が交錯して乱高下となり、ドル/円は終盤に106円台前半まで下落した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国のインフレ率の上昇を受けて、米経済の成長を抑える要因となるとの思惑が高まったことが引き続き材料視され、ドルを売って円を買う動きが先行した。しかし、日経平均株価が200円以上の上昇で始まったことや、商業決済が集中しやすい五・十日であることから、仲値公示付近にかけて輸入企業などのドル買い・円売りも入り、値を戻す場面もあった。
(2)仲値公示通過後は再び上値の重い動きとなった。また、衆院予算委員会で麻生財務相が「特別に介入しなければならないほど急激な円高でもない」と発言したことも、円買いを後押しし、ドル/円は106.10台まで下落した。
(3)日経平均やハンセン指数の上昇を受けて、欧州主要株価が上昇して始まったことから、投資家のリスク志向の高まりも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)注目の米物価関連の経済指標の発表では、予想通りの結果だったことから、反応は限定的となった。ただ、米国債利回りの低下が続いたことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日銀人事に関する報道なども影響して、円売りとなる場面もあった。しかし、引けにかけては、米長期金利の上昇基調が米経済を圧迫するとの見方や、法人税減税などによる米財政悪化懸念を背景に、円買い・ドル売りが優勢となり、ドル/円は一時106.04まで下落し、2016/11/10以来の安値を付けた。
本日のトピックス
本日は、中国に続き香港、シンガポール、インドネシアでも旧正月で主要市場が休場となることから、市場参加者が少なくなることが予想される。また、米国市場では、輸入物価指数、住宅着工件数、ミシガン大学消費者信頼感指数など主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。ただ、それが終了すると、3連休(月曜日はプレジデンツ・デーで米国の主要市場が休場)を控えた週末となることから、市場参加者やトレーダーは積極的な売買を手控えることも予想される。そのため、薄商いとなり、予想外の動きが出る可能性もあることから、注意も必要だろう。
2/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
1月住宅着工件数 |
123.4万件 | 119.2万件 |
前回は、市場予想に反して減少となり、2016年11月以来の大幅な減少となった。集合住宅は+1.4%だったものの、一戸建て住宅が-11.8%と大幅な減少となったことが影響した。今回は、若干の増加が予想されているが、依然として高水準を維持していることもあり、予想の範囲内の結果なら相場への大きな影響はないだろう。 | ||||
22:30 | 米国 |
1月輸入物価指数(前月比) |
0.6% | 0.1% |
前回は、市場予想を下回り、昨年7月以来の低い伸びとなった。石油や資材の伸びが大きく低下したことが影響した。今回は、前回の反動で堅調な伸びが予想されている。連日米物価関連の経済指標の発表が続いており、マーケットでも物価の動向に注目が集まっていることから、結果には一応注目したい。 |