前営業日トピックス
東京市場では、前週末に米国の利上げペース加速に対する警戒感から米国株が急落したのを受けて、日経平均株価も大幅安となった。これを受けて、リスク回避の動きが強まり、円買いが優勢となった。そして、商業決済が集中する五・十日であったが、仲値公表にかけてドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。その後は、新規材料に乏しく、株価も狭いレンジ内の動きが続いたことから、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。そして、黒田日銀総裁が「物価2%は道半ば、粘り強く緩和続ける必要ある」と発言したことから、やや円が売られる場面もあったが、ドル円クロス円の上昇は一時的だった。
米国市場では、米国の利上げ期待の高まりを背景に円が売られ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、米主要株価が軒並み下落幅を拡大したことを受けて、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の米国市場で、ダラス連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁が、今年の米利上げペースが3回から4回へ加速する可能性を示唆したことを受けて、利上げペースの加速が意識され、米国の主要株価が大きく下落となったことが影響し、東京市場でも日経平均株価が大きく下落となり、投資家のリスク回避の動きが先行した。
(2)日経平均株価は、一時615円安まで下落したものの、その後は小動きの展開が続いたことや、新規材料に乏しいことから、小動きの展開が続いた。ただ、黒田日銀総裁が 衆院予算委で金融緩和の継続を強調したことから、円が売られる場面もあった。一方、ユーロは、フランスで行われた下院補欠選挙の2つの決選投票で、マクロン大統領率いる「共和国前進」がともに野党共和党に敗北したことも影響し、上値の重い動きが続いた。
(3)米国の年内の利上げペースが加速するとの思惑を背景に、ドル買い・円売りが先行し、クロス円も堅調な動きとなった。しかし、その後は米金利上昇に伴う企業収益への懸念が増したことや、移民関連法の成立見通しが後退し、新たな暫定予算案が通過する可能性が低下しているとの思惑も投資家のリスク回避を後押しした。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がないものの、豪中銀の政策金利発表が予定されており、結果が注目される。政策金利は、過去最低の1.50%に据え置かれることがコンセンサスとなっている。最近ではインフレ率もやや上昇していることから、声明や当局者の発言に注目したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されている。特に、今後の米国の通商政策を見る上で、米貿易収支の対中赤字など対外赤字額に注目したい。また、前日に大幅下落となった株式市場の動きにも注目したい。
2/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-520億USD | -505億USD |
前回は、貿易赤字が市場予想を上回る結果となり、2012年1月以来の高水準となった。輸入の伸びが輸出の伸びを上回る結果となったことが影響した。そして、対中赤字は、2015年9月以来最大となった。今回は、さらに赤字額が拡大すると予想されており、予想通りの結果ならリーマン・ショック直後の2008年10月以来の高水準となることから、ドル相場への影響も懸念される。また、今後の米国の通商政策を見る上では、対中赤字など、対外赤字額にも注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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596.1万件 | 587.9万件 |
前回は、市場予想を下回る結果となり、2ヵ月連続の低下、昨年5月以来6ヵ月ぶりの低水準となった。建設や小売りで増加したものの、製造業、ビジネスサービス、運輸などが減少したことが影響した。低下が続いたものの、依然として最高水準を維持していることから、大きな懸念にはならないだろう。 |
気まぐれ投資コラム
今後のVIX指数に注目
VIX指数とは、ボラティリティ・インデックス(Volatility Index)の略称です。米国のS&P500指数を対象とするオプション取引の動きを元に算出している指数です。VIX指数の数値が高いほど、投資家が相場の先行きに不安を感じている割合が高いことから、VIX指数は『恐怖指数』とも呼ばれています。
昨日の米国市場での株価の大幅下落を受けて、VIX指数は2015年8月以来の高水準まで上昇しています。VIX指数が上昇すると、投資家がリスク回避の動きを強める傾向があります。1月の後半から、VIX指数の上昇が加速しており、それに合わせて円買いが強まっています。為替市場では、VIX指数が上昇すると円が買われ、VIX指数が低下すると円が売られる傾向があり、今後のVIX指数の動きに注目です。
※出所:データを基にSBILMが作成
※出所:データを基にSBILMが作成