前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったものの、日銀の国債買い入れオペを控えて序盤は限定的な動きとなった。そして、日銀が国債買い入れオペで、残存5年超10年以下の買入額の増額を通告したことを受けて、円を売る動きが優勢となった。その後は、日経平均株価が下げ幅を縮小したこともあり、堅調な動きが続いた。そして、注目された米雇用統計では、雇用者数や賃金の伸びが市場予想を上回る結果となった。良好な雇用情勢が示されたことから、3月の追加利上げへの期待感が高まり、ドルは大半の主要通貨に対して上昇した。ただ、その後はやや上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日銀の国債買い入れオペを控えて、仲値公示までは小動きの展開となった。そして、日銀が国債買い入れオペで、残存5年超10年以下の買入額を4500億円へ増額を通告したことを受けて、円が売られた。通告後にやや乱高下となる場面もあったが、長期金利の上昇が一服したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小したことに加え、欧州勢が改めて日銀の国債買い入れ増額や指し値オペを材料視して円売りを先行されたことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米雇用統計では、非農業部門雇用者数、賃金の伸びが市場予想を上回る結果となったこと受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。ただ、終盤には上値の重い動きとなった。利上げ期待の高まりを背景に、米長期金利の指標となる10年債利回りが一時2.854%まで上昇し、2014年1月下旬以来約4年ぶりの高水準となった。また、政策金利の動向に敏感な2年債利回りは一時2.186%まで上昇し、2008年9月下旬以来の高水準となった。一方、米株式市場では、利上げの加速観測が広がったことから、株式市場に対する警戒感が強まり、主要株価は軒並み大幅下落となった。特に、ダウ平均株価は、一時696ドル安まで下落し、週明けからの下落幅は最大で1126ドルとなった。
本日のトピックス
東京市場では、先週末の米雇用統計の結果が引き続き材料視され、ドルは比較的底固い動きが続く可能性が考えられる。ただ、株式市場では、主要株価が大幅下落となったことから、日経平均株価などアジアの主要株価への影響も懸念される。そして、投資家のリスク回避の動きが出てくる場合には、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなる可能性も考えられる。
米国市場では、引き続き米国の利上げ期待の高まりからドルは底固い動きとなる可能性もあるだろう。また、前週末に大幅下落となった主要株価の動きにも注目したい。
2/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月ISM非製造業景況指数[総合]
ISM非製造業景況指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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56.5 | 55.9 |
前回は、市場予想を下回り、昨年8月以来の低水準となった。新規受注が2016年8月以来の低水準となったことなどが影響した。今回は、3ヵ月ぶりの上昇が予想されているが、雇用統計後の発表となることから、やや反応は限定的だろう。 |