前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、日経平均株価が上昇して始まったことも影響した。ただ、その後は、株価がマイナス圏まで下落したこともあり、円の買い戻しが優勢となった。海外市場では、株価が比較的堅調な動きとなったことや、トランプ米大統領のダボス会議での講演を控えて様子見ムードも出ており、底固い動きが続いた。そして、黒田日銀総裁のダボスでの発言を受けて円買いが強まり、ドル/円は108.28まで下落した。その後、日銀の報道官が黒田総裁の発言を説明したことを受けて、円が売られる場面もあった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米大統領がインタビューで、「ドルがさらに強くなり、最終的には強いドルが望ましい」と発言し、ドルが急反発した流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。また、「米国にとってより有利な条件になるならば、TPP(環太平洋連携協定)をやる」と、TPP復帰に言及したことも影響した。
(2)新規材料に乏しい中、午後にかけて日経平均株価がマイナス圏まで下落したことなどが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、スイス・ダボスでのトランプ米大統領の講演を控えて様子見ムードが広がっていることから、調整の動きも見られた。
(3)欧州勢が改めてトランプ米大統領の発言を材料に、円売り・ドル買いを先行させた。また、欧州主要株価が堅調な動きとなったことや、米国債利回りが上昇したことも影響した。その後、黒田日銀総裁が、「日本は緩やかな景気拡大を続ける可能性が高い」、「2%のインフレ目標にようやく近い状況にある」と発言したことで、再び日銀の金融緩和策の早期縮小が意識され、円買いが優勢となった。
(4)黒田総裁のスイス・ダボスでの発言を巡り、総裁はインフレ見通しを修正したわけではないと日銀の報道官が説明したことを受けて、円が売られる場面もあった。しかし、引けにかけては上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、先週末の黒田日銀総裁の発言を受けて、円買いとなった流れが続くのか見極めたい。日本の主要な経済指標の発表はなく、材料に乏しいことから、円買いの動きに一服感が出るようなら、小動きの展開が続く可能性も考えられる。
米国市場では、個人支出に加え、FRBがインフレ指標として重要視するコアPCEデフレーターの発表が予定されており、FOMCを控えていることから結果を受けた動きにも注目したい。ただ、30日に米大統領の一般教書演説が予定されていることから、様子見ムードが強まる可能性も考えられる。また、先週は、主要国の金融当局者や要人の発言に左右される展開が続いたこともあり、引き続き敏感に反応する可能性も考えられることから、要人発言にも注意したい。
1/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月個人支出(前月比)
1ヵ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額について集計した経済指標。
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0.5% | 0.6% |
前回は、市場予想を上回り、堅調な結果となった。今回は、前回から伸び幅の低下が予想されているものの、年末商戦が好調だったことから、予想以上の伸びとなるとの見方もあり、結果に注目したい。 |