前営業日トピックス
東京市場では、日銀の金融政策決定会合の結果発表や黒田総裁の会見を控えて様子見ムードが強まり、序盤から小動きの展開が続いた。そして、日銀が金融政策の現状維持を決定し、予想物価上昇率の判断を上昇修正したことが明らかとなったことから、円買いが優勢となった。その後、黒田総裁が会見で、金融緩和終了を検討する段階ではないと発言したことを受けて、円売りとなる場面があったものの、円売り一服後は円買い戻しの動きが強まった。
米国市場でも、米国債利回りの低下が続いたことが影響し、終盤までドルは主要通貨に対して上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えて様子見ムードが強まっており、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開が続いた。仲値公示近辺でも、実需のフローは少なく、目立った動きはなかった。
(2)日銀は、金融政策の現状維持を決定。そして、予想物価上昇率の判断を上昇修正したとの報道に反応し、円買いとなる場面もあった。しかし、日銀は物価目標(2%)の達成時期が2019年頃になる可能性が高いとの判断を据え置いたことから、下げ一服後は値を戻した。その後、黒田総裁の会見を控えて、再び小動きの展開が続いた。
(3)黒田日銀総裁の会見では、「物価はまだ2%目標にはほど遠い」、「出口など対応検討のタイミングに至ってない」と金融政策の早期正常化に否定的な発言をしたことで、国債買いオペ減額をきっかけに高まっていた量的緩和の縮小期待が後退となり、円売りが優勢となった。その後、円売りの流れが一服し、円買い戻しが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)米国債利回りの低下が材料視され、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。また、米経済指標が予想を下回る結果となったものの、反応は限定的となった。そして、米国債利回りがやや戻したことなどが影響し、ドル/円も底固い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前日に日銀の金融政策決定会合の結果発表や黒田総裁の会見が終了したことで、一旦の材料出尽くしから小動きの展開が考えられる。また、午後に日本の景気関連の経済指標の発表が予定されているものの、影響は限定的だろう。ただ、日経平均株価が前日に大きく上昇し、1991年11月以来の高値を付けたことから、引き続き堅調な動きとなるのか、一旦反落となるのか注目したい。
米国市場では、本日から週末にかけて重要な経済指標の発表が続き、本日は住宅関連の経済指標の発表が予定されていることから、結果に注目したい。また、米石油在庫統計の発表も予定されており、原油相場に動きが出るようなら、為替市場への影響も考えられることから、こちらにも注目したい。
1/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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570万件 | 581万件 |
前回は、市場予想を上回り、約11年ぶりの高水準となった。住宅在庫は、1999年の統計開始以降2番目に低い水準となるなど、在庫逼迫が続いている。今回は、前回の反動でやや減少が予想されているが、好調な住宅市場が続くと見られていることから、減少の場合でも反応は限定的だろう。一方、予想を上回る結果となるようなら、ドル上昇に寄与する可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
豪ドル/円は、このところ89円台まで上昇するものの、終値ベースでは89円台乗せを達成できず、上値の重い動きが続いている。チャート形状では、ダブルトップ型のパターンと見ることもできることから、今後の動きに注目したい。
直近の高値を上抜けて、終値ベースで89円台乗せとなるようなら一段の上昇も考えられ、その場合には90.32が次の上値ポイントとなる。また、89.00台で上値の重い動きが続いていたことから、ここを上抜ける場合には上昇が加速する可能性も考えられる。
一目均衡表では、相場の方向性を示すとされる基準線の上昇が続く(本日87.63、木曜87.76、金曜87.90、月曜88.15)ことから、基準線を下抜けないようなら、底固い動きが続く可能性も考えられる。しかし、基準線を下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられる。その場合には、87.21が次の重要なポイントとなる。そして、87.21を下抜ける場合の下値目標の計算値は85.35と計算できる。
また、オシレーターのMACDでは、両線下向きとなっており、乖離幅が拡大するようなら、下げが継続する可能性も考えられることから、両線の形状にも注目したい。
気まぐれ投資コラム
25日のECB理事会に注目
今月11日に公開された12月のECB理事会の議事録では、2018年の早い時期に金融政策の運営指針を見直すべきだとの意見が大勢を占めていたことが明らかになり、タカ派的な内容となりました。また、ECB当局者の発言などもあり、今年の早い時期に金融政策の運営指針が見直される可能性もあるとの見方が広がり、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きが続いています。そして、大規模な資産買い入れの終了時期や、利上げ示唆のタイミングを巡り憶測が広まる中、25日に開かれるECB理事会に注目が集まっています。
注目のポイント
(1)2018年の早い時期に金融政策の運営指針を見直す方針が示されており、変更時期に関するヒントがあるのか。
(2)ユーロ圏のインフレ率は、ECBが掲げる2%の目標を下回っている。ただ、ドイツなど域内経済の改善が見られることや、原油価格などエネルギー価格の上昇で、ユーロ圏のインフレ率の上昇期待も高まっている。インフレに関してどのような見解が示されるのか。
(3)ユーロは、対ドルで昨年1月から19%上昇、対円でも昨年4月以降から19%上昇するなど、ユーロ高が続いている。これを受けて、ECB当局者からユーロ高への懸念を示す発言が相次いでいるが、ドラギ総裁から改めてユーロ高を牽制する発言があるのか。
(4)ユーロ売りに反応する場合には、積み上がっているユーロの買いポジションの解消売りに対する懸念が高まる可能性が考えられる。特に、ユーロ高に対する牽制発言などがあれば、ユーロの下げ幅が拡大する可能性にも注意が必要。
※出所:CFTCのデータを基にSBILMが作成