前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場終盤の堅調な動きが一服し、序盤から小動きの展開となった。そして、日経平均株価が上昇して始まったことや、仲値公示近辺では実需のドル買いが出たものの、反応は限定的となり、もみ合いの動きが続いた。一方、豪ドルは豪州の雇用統計の発表があったが、まちまちの結果となり、やや乱高下となった。その後、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きが続いたが、クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、雇用や住宅関連の経済指標が発表されたが、まちまちの結果となり、反応は限定的だった。その後、2018年度の米暫定予算の期限を迎えるにあたり、政府機関閉鎖に対する懸念からドルが主要通貨に対して軟調となる場面もあった。ただ、引けにかけては値を戻した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の上昇が一服し、序盤からやや上値の重い展開となった。日経平均株価が上昇して始まり、1991年11月以来の24000円台となったものの、反応は限定的となり、ドル円・クロス円はもみ合いが続いた。一方、豪州の雇用統計が発表され、雇用者数の伸びが予想を上回る結果となったことを受けて、豪ドルは上昇となった。しかし、前回から伸び幅が縮小したことや、失業率が悪化したことが嫌気され、下落に転じた。
(2)日経平均株価が終盤に上げ幅を縮小して、マイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。また、ドルがユーロやポンドなど主要通貨に対して軟調な動きが続いたこともあり、円に対しても上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、米新規失業保険申請件数や、住宅着工件数が発表されたが、まちまちの結果となったこともあり、反応は限定的だった。そして、19日に2018年度の米暫定予算の期限を迎えることで、米議会の与野党が連邦政府の予算を巡って攻防を繰り広げていたが、米政府機関の一部が閉鎖に追い込まれるとの懸念からドルが売られた。また、共和党上院院内総務が、政府機関の閉鎖に備えると発言したとの報道を受けて、ドルは一段の下げとなった。その後、ドル円・クロス円は値を戻したが、やや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、午前中に米下院による暫定予算法案が採決されることから、結果を受けた動きが注目される。ただ、上院の採決も控えていることから、やや限定的な動きが考えられる。また、前日引けにかけて失速した日経平均株価の動きも注目される。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、最終的に米国の暫定予算法案が可決するのか、または昨日懸念された政府機関の閉鎖となるのか注目されており、結果に注目したい。
1/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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97.0 | 95.9 |
前回は、市場予想を下回る結果となり、10月に付けた2004年以来の高水準から2ヵ月連続の低下となった。今回は、前回からの上昇が見込まれており、株価の上昇が続いていることや、米経済指標の改善などもあり、消費者のマインドは引き続き良好と考えられる。 | ||||
21日 | ドイツ |
ドイツ社会民主党(SPD)の党大会 |
― | ― |
ドイツ社会民主党(SPD)の複数の支部で、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立提案が否決されたことから、政局の先行き不透明感も出ている。採決結果は拘束力を持たないものの、21日にボンで開く党大会では、大連立に向けた本協議に入るという執行部提案の是非が採決される。ここで執行部提案が否決されれば、大連立の望みはついえることになる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、底固い動きが続いたが、上値のポイントであった110.84(前回の重要なサポートライン)を上抜けたことから反転。また、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小していることからも、その兆しが見られた。
次の上値のポイントは、一目均衡表の基準線近辺と考えられる。この基準線は、相場の方向性を示すと見られており、来週末まで111.92(直近安値110.20を下回らないことが条件)での横ばいが続く。このことから、基準線の暗示通り、ドル/円はこの近辺でもみ合いの動きが続く可能性も考えられる。ただ、基準線を上抜ける動きとなる場合には、一段の上昇が考えられ、その場合には雲下限ラインが次のポイントとなる。一方、下値のポイントは110.20となり、ここを下抜ける場合には、108円台が下値目標の計算値となる。
気まぐれ投資コラム
カナダドル、乱高下の背景は?
17日の海外市場では、カナダ中銀の政策金利発表が予定されており、マーケットでは昨年9月以来の利上げが予想されていました。そして、金利先物市場での利上げ予想確率は90%を上回っており、ほぼ利上げが織り込まれていました。そのため、声明などに注目が移っており、やや思惑が交錯する展開となっていました。
マーケットでは、発表後に利益確定などの動きから下げに転じるとの見方も出ていたことから、発表直前にはカナダ売りを仕掛ける向きもあり、カナダ/円は89.20から88.61まで下落しました。そして、利上げが発表されると89.30まで反発、ただ「インフレ目標達成には一定の金融緩和継続が必要」との声明が発表され、一転して下落となりました。さらに、米国、メキシコと進めているNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉を「最大のリスク要因」と位置付けたことも影響しました。
来週には、米国、メキシコ、カナダの3ヵ国によるNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉の第6回会合が行われる予定となっています。カナダ経済の不透明要因であり、今後の金融政策上のリスクであると示されたことから、交渉の行方がカナダドル相場に影響を及ぼす可能性もあり、結果や内容に注目です。
※出所:FX総合分析チャート