前営業日トピックス
東京市場では、序盤から小動きの展開となったものの、その後は実需のドル買い・円売りなども入り、一時上昇する場面もあった。しかし、上昇は一時的となり、日経平均株価がマイナス圏に下落したこともあり、上値の重い動きが続いた。欧州市場では、欧州勢のドル買い・円売りに反応する場面もあったが、米国市場では、主要な経済指標の発表があったものの、反応は限定的となり、終盤まで小動きの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、序盤から小動きの展開となった。しかし、本日はスポ末(本日成立した取引の受け渡し日が年末・月末に当たる、事実上今年最後の取引)で、輸入企業によるドル買い・円売りが散見され、仲値公示にかけてドル円・クロス円は上昇した。
(2)仲値通過後は、実需の取引も一巡し、利益確定売りなども入り、ドルは上値の重い動きとなった。また、プラス圏に上昇していた日経平均株価が再びマイナス圏に下落する動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、前日の海外市場で、原油価格が一時1バレル=60ドル台まで上昇するなど、原油価格の上昇が引き続き好感され、資源国通貨であるカナダドルや豪ドルは、東京市場でもジリ高の展開が続いた。
(3)欧州勢からのドル買い・円売りフローを受けて、ドルは敏感に反応したものの、影響は一時的だった。その後は、米消費者信頼感指数の発表があり、市場予想を下回る結果となったが、反応は限定的となり、終盤まで狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、限定的な動きが予想される。本邦実需勢は、昨日のスポ末で今年の取引を終えていることや、本日から年末年始の休暇に入るところも多いことから、実需からのフローは一段と低下するとみられる。そのため、狭いレンジ内の展開が考えられる。一方、米国市場では、主要な経済指標の発表が予想されているものの、市場参加者も少ないことから反応は限定的だろう。ただ、まとまったフローが出てくる場合には、動きが出ることもあり、急な動きには引き続き注意したい。
12/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:45 | 米国 |
12月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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62.0 | 63.9 |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、10月に付けた2011年3月以来の高水準からは低下した。今回は、引き続き低下が予想されているものの、過去10年間の平均(55.0)を上回る水準を維持すると見られており、影響は限定的だろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円では、日足ベースの一目均衡表の雲を横滑りながら上抜ける展開となったものの、依然として上値の重い動きが続いている。引き続き、上値のポイントは113.75であり、ここを上抜けて一段の上昇となるのか、上値の重い動きが続くのか注目したい。一目均衡表では、1月4日に現状の動きからの流れが変わりやすい日柄を迎えることから、この近辺の動きには注目したい。
気まぐれ投資コラム
米国債利回りとドル/円相場
※出所:Bloomberg
リーマン・ショック後、世界的なデフレ傾向が強まる中、日米英欧などの主要国の中央銀行は、伝統的金融政策(短期市場金利の操作)から、非伝統的金融政策(量的緩和、マイナス金利政策)へ舵を切りました。その結果、供給するマネーが拡大し、バランスシートは膨張していきました。そして、長い年月がかかりましたが、疲弊した経済は徐々に回復し、物価も上昇基調にあることから、主要国は量的緩和策の縮小を模索し始め、利上げに踏み切る中銀も出始めています。