前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落したことや、米国のロシアゲート問題、中東を巡る地政学リスクなどが意識され、リスク回避の動きが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。午後には、株価が下げ幅を拡大する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。下げ一巡後は、底固い動きが続いたが、株価が上値の重い展開になったことや、米国の税制問題、暫定予算期限問題、ロシアゲート問題などもあり、リスクを積極的に取り難いことから、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の欧米市場の株安を受けて、日経平均株価が軟調な展開で始まったことから、投資家のリスク回避の円買いが先行した。
(2)日経平均株価が下げ幅を拡大し、今年最大の下げ幅を記録したことに加え、米長期金利の低下が続いたことから、ドル売り・円買いが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。背景には、米国のロシアゲート問題や、中東を巡る地政学リスクなどが意識されている。特に、マーケットでは、トランプ米大統領が在イスラエルの米国大使館をエルサレムへ移設する方針を示したことに対する懸念が高まっている。
(3)ドル/円は、112.00近辺では、値頃感などの根強い買いオーダーも多く、底固い動きが続いている。また、イスラエルの米国大使館移設問題、ロシアゲート問題、2018年度の暫定予算問題などの推移を見極めたいとの思惑もあり、ここから一段と売り込み難いことからもみ合いの動きが続いている。
(4)米ADP雇用統計が、前回から伸び幅が縮小したものの、市場予想と一致する結果となったことから、反応は限定的となった。また、米主要株価がもみ合いの動きとなったことや、週末の米雇用統計などを控えて様子見ムードも出ており、小動きの展開が続いた。ただ、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことから、やや上値の重い動きも見られた。
本日のトピックス
日本市場では、前日大幅安となった日経平均株価の動きが注目される。午後に日本の景気関連の経済指標の発表が予定されているが、前日の海外市場でも、株価が上値の重い動きとなったことから、為替市場は株価の動きに影響を受ける可能性もあるだろう。特に、日経平均株価は11月中旬に付けた21,972円が下値のポイントと見られている。また、海外市場では、前日の欧州市場終了後に、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したが、中東での紛争発生を刺激する可能性もあるとの懸念も指摘されており、関係国の反応に注目したい。
米国市場では、雇用関連の経済指標の発表が予定されているが、米雇用統計の発表を控えていることや、暫定予算が8日に期限を迎えることから、政府機関の閉鎖回避に向けたつなぎ予算の成立に向けた動きが出てくるのか注目されているが、反応は限定的だろう。そして、米税制改革の法案一本化に向けた進展がある場合や、政府機関の閉鎖回避のための暫定歳出法案が出される場合には、ドル買い戻しに反応する可能性もあるだろう。