前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことや、実需のドル買いフローなどを受けて、仲値公示近辺まで堅調な動きとなった。しかし、仲値通過後は、日経平均株価が下落に転じたこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
欧州タイムでは、先週末に大きく下落していた南ア・ランドが急反発したこと受けて、対ランドで下落したドルは、対円などに対しても上値の重い動きが続いた。その後、北朝鮮がミサイル発射準備との報道を受けてリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、引けにかけては値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は、米経済の堅調さを材料に、ドル買い・円売りが先行した。しかし、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小したこと受けて、上値の重い動きも見られた。ただ、仲値公示付近にかけて実需筋のドル買いフローで再び堅調な動きとなった。
(2)仲値通過後は、ドル買いフローが細ったことに加え、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、株価も底固い動きとなったこともあり、ドル円・クロス円はレンジ内のもみ合いが続いた。しかし、欧州勢がユーロ買い・ドル売りを先行させたことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
(3)格付け会社S&Pによる格下げ(ジャンク級)を受けて先週末に大きく急落した南ア・ランドだが、引き下げ方向で見直すと発表していたムーディーズが引き下げを見送り、投資適格を維持したことを受けて、南ア・ランドは大きく買い戻される動きとなった。ドルは、対ランドで下落したことなどが影響し、円などに対しても軟調な動きとなった。
(4)111円台割れ近辺では値頃感の買い戻しが強まったことや、米株価が上昇したことを受けて、ドルは値を戻す動きも見られた。しかし、「北朝鮮がミサイル発射準備か、日本政府が信号感知し警戒強化」との報道を受けてリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は下落し、特にドル/円は9/15以来、豪ドル/円は6/26以来の安値を付けた。その後は、下落した株価が再び上昇したことなどを受けて、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、限定的な動きが考えられる。月末を控えたポジション調整も考えられるが、ある程度は感謝祭前に終了していると考えられることから、実需の動きもそれほど活発にはならないだろう。ただ、北朝鮮に関連する報道を受けて、昨晩の海外市場で動きが出たことから、関連する報道には注意したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、反応は限定的だろう。むしろ、次期FRB議長に指名されたパウエルFRB理事の公聴会が予定されていることから、公聴会での発言の内容に注目したい。
11/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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124.0 | 125.9 |
前回は、市場予想を大きく上回り、2000年12月以来の高水準となり、景気や雇用市場の信頼感が強まった。今回は、前回から若干の低下が予想されているが、大幅な低下とならなければ、経済は年内底固いペースで拡大するとの期待感が強まる可能性も考えられる。 |