前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。しかし、日経平均株価が上昇して始まったことなどを受けて、底固い動きとなった。ただ、米国が北朝鮮をテロ支援国家に指定したことで、今後北朝鮮が反発を強める可能性も懸念されていることから、上値の重い動きが続いた。その中で、豪中銀総裁が、豪州経済を楽観視し、短期的に金利を変更する強い根拠はないと発言したことが好感され、豪ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなる場面もあった。
米国市場では、米国債利回りの低下を受けて、ドル売り・円買いが先行したが、米経済指標が予想を上回る結果となったことや、米株価の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤はやや上値の重い動きとなったが、新規材料に乏しい中、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、上げ幅を縮小した日経平均株価を見ながらの動きとなり、やや上値の重い動きとなったが、前引けにかけて再び株価が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。
(2)米国が北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に指定したが、韓国国家情報院が北朝鮮は年内にさらなるミサイル実験を行う可能性があるとの見方を示したことなどもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。また、海外企業による日本企業や関連事業の買収(増資、入札、子会社などの株式取得)も影響しているとの指摘も出ている。
(3)欧州市場に入っても方向感に乏しい動きとなっており、感謝祭休暇を控えて市場参加者も少なくなっていることも影響した。その中で、改めてドイツの政局の先行き不透明感を背景にユーロ売りが優勢となった。一方、豪中銀総裁が豪州経済を楽観視した発言をしたことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して上昇となった。
(4)米国債利回りが低下したことや、米感謝祭を控えたポジション調整の円買い・ドル売りが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、米中古住宅販売件数が市場予想を上回る結果となったことや、ダウ平均やナスダックが最高値を更新する動きとなったことを受けて、円売りが優勢となる場面もあった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がないことや、勤労感謝の日の祝日を控えていることもあり、積極的な売買が手控えられる可能性も考えられる。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。ただ、米感謝祭を控えていることから、市場参加者も少なくなることも予想され、やや限定的な動きも考えられる。米感謝祭前後では、市場参加者が少なくなることが多く、薄商いとなることから、為替市場では乱高下など比較的大きな動きとなるケースがよくある。昨年は、23日〜25日(24日が感謝祭)の朝にかけてドル/円は110円台から113円台までの上昇が見られ、一昨年(26日が感謝祭)は122.27から122.90まで上昇後122.31まで下落するなど、やや荒っぽい動きとなっていたことから、今年も値動きには注意したい。
11/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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0.4% | 2.0% |
前回は、市場予想と一致し、2%の伸びを維持した。7-9月期の投資が比較的堅調だったことが示された。今回から第4四半期の数字となることから、好調が維持されるのか注目されている。市場予想では、伸び幅の縮小が予想されているが、特に変動の大きい輸送機器を除いた指数に注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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98.0 | 97.8 |
前回(速報値)は、市場予想を下回る結果となり、2004年以来の高水準となった10月から低下した。11月に入り、上昇が続いた株価が上値の重い動きとなったことなどが影響したものの、依然として高水準を維持している。今回(確報値)は、前回からの上方修正が予想されているが、感謝祭前であり、為替市場への影響はやや限定的だろう。 |