前営業日トピックス
東京市場では、日本のGDPの結果や、日経平均株価が下落して始まったことに対する反応は限定的だった。特に、五・十日で実需のドル買い・円売りが出ていたことで、底固い動きとなった。ただ、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、欧州主要株価が下落して始まったこと、また米国債利回りが低下したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米国市場では、米経済指標が前月から伸び幅が大きく低下したことを受けて、ドル/円は10/19以来の安値を付け、ドルは対ユーロでも10/13以来の安値を付ける動きとなった。その後、下落した株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は一時上昇する場面もあったが、午後に入り株価が再び下落したことなどから、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が下落して始まったものの、五・十日で実需のドル買い・円売りに下支えられ、ドル円・クロス円は仲値公示近辺まで底固い動きが続いた。一方、賃金指数が予想を下回る結果となったことが嫌気され、豪ドルは主要通貨に対して下落した。
(2)仲値公示通過後は、日経平均株価の下落が改めて意識されたことや、米長期債利回りの上昇も加わり、円買いが優勢となった。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったが、113.00台での値頃感の買いなどもあり、底固い動きが続いた。
(3)今月末が決算となるファンド勢が、9月以降上昇に転じたドルのポジションの手仕舞を始めたとの思惑に加え、日経平均株価の下落を受けて欧州主要株価が下落して始まったことも影響し、比較的安全資産とされる円が買われた。また、12月の米FOMC(12/12-13)が1ヵ月物オプションの期限に入ったこと(イベントリスクが意識)も影響した。
(4)前月大きな伸びとなった米消費者物価指数、小売売上高、ニューヨーク連銀製造業景気指数がいずれも低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落した。ただ、下落した米株価や米国債利回りが一時下げ幅を縮小したことから値を戻す動きも見られた。しかし、引けにかけて再び株価や米国債利回りの低下となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要経済指標の発表がないことから、株価の動きに注目したい。昨日は、日経平均株価の下げ幅が大きくなり、為替市場にも影響した。先週の高値から1,000円近い下落となっており、引き続き下落が続くのか、ここで一旦下げ止まるのか注目したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果に注目したい(昨日は東京や欧州市場で大きく動きが出たこともあり、指標結果を受けてもやや限定的な動きとなった)。また、複数の米金融当局者の発言予定もあることから、発言の内容にも注目したい。
11/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
10月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
|
0.3% | 0.7% |
前回は、市場予想を上回り、2016年6月以来の高い伸びとなった。エネルギーに加え、食品・飲料の上昇が押し上げ要因となった。今回は、やや伸び幅が縮小すると予想されているが、9月よりも原油価格の伸び幅が縮小したものの高水準を維持していることから、大きな低下にはつながらないと考えられる。 | ||||
23:15 | 米国 |
10月鉱工業生産(前月比)
鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
|
0.5% | 0.3% |
前回は、市場の予想通りの結果となり、大型ハリケーン上陸の影響から改善し、3ヵ月ぶりのプラスとなった。ほとんどの項目が改善したが、ハリケーン上陸前の水準までは改善していない。今回は、前回から一段の改善が予想されており、足場固めが継続するのか注目したい。 |