前営業日トピックス
東京市場では、注目された日経平均株価が序盤から下落となり、終盤まで上値の重い動きが続いたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。また、商業決済が集中しやすい週末の五・十日だったが、実需筋のフローは限定的であり、目立った動きは見られなかった。その後、米国債利回りの上昇を受けて、ドル/円が上昇する場面もあったが、欧州株価の下落などもあり、上値の重い動きとなった。
米国市場では、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回る結果となったことから、ドルは主要通貨に対して下落した。その後、米国債利回りの上昇を受けて、円売り・ドル買いが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が下落して始まり、350円以上の下落となったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。商業決済が集中しやすい五・十日だったが、実需筋の目立った動きは見られなかった。その後、米国債利回りが上昇したことから、比較的堅調な動きも見られた。
(2)新規材料に乏しい中、米上院共和党が発表した税制改革法案に法人税減税の実施時期の1年先送りが盛り込まれたことや、財源の穴埋め問題が残っていることに対する先行き不透明感を背景に、全般的にやや上値の重い動きが続いた。欧州市場に入り、米国債利回りの上昇が続いたことから、円売りが優勢となった。
(3)欧州主要株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、円を買い戻す動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。米国市場でも株価が下落したことや、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回る結果となったことも加わり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(4)ベテランズデー(11月11日)の振替休日であり、週末であることから、午後に入り市場参加者が少なくなる中、インフレ率が低い水準で推移するとの見方を背景に買い進まれていた米長期債を中心に、ポジション調整の売り(利回りは上昇)が優勢となり、日米の金利差拡大を意識したドル買い・円売りが優勢となった。
本日のトピックス
週明けの東京市場では、日本の経済指標の発表や、黒田日銀総裁の講演が予定されており、結果や発言の内容に注目したい。特に、金融政策に関する発言があるようなら、為替市場に影響する可能性もあるだろう。また、先週後半に、日経平均をはじめ、世界的に株価が下落したことで、約2ヵ月続いた上昇の調整が続くとの見方も一部で出ていることから、株価の動きにも注目したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、上下両院の税制改革案に対する思惑が交錯する可能性も考えられる。そして、引き続き株価や米国債利回りの動きが注目される。