前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比460円以上の上昇となったことを受けて、ドル/円が114円台を回復するなど、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、午後に入ると株価が下落に転じ、上げ幅を縮小する動きが加速したことを受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、比較的安全な通貨とされる円が買われる動きとなった。
また、欧州市場でも、日本市場の株価下落が影響して主要株価が下落となったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。その後、下げ一服感からドルの買い戻しが入り、ドルが主要通貨に対して上昇となった。しかし、日本や欧州市場と同様に、米主要株価が下げ幅を拡大する動きとなったことや、米国債利回りの低下を受けて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米長期金利上昇による日米金利差の拡大観測などを背景に、ドル買い・円売りが先行し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、日経平均株価が200円以上の上昇で始まったことや、実需のドル買いなどが入ったことから、仲値公示近辺にかけて堅調な動きとなった。
(2)仲値通過後は、実需のドル買いフローが細ったことや、米上院の税制改革法案発表を控えて積極的な売買が続かず、上値の重い動きが続いた。また、オプションSQを前にしたポジション調整などから、日経平均株価が午後に入り急落となったことでリスク回避の円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は下落した。
(3)株価の乱高下で円が買われた東京市場の流れを引き継ぎ、欧州市場でもドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、欧州主要株価が序盤小動きとなったものの、その後下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は一段の下落となった。その後、ドルは米上院の税制改革法案発表を控えて、主要通貨に対して上値の重い動きが続いた。
(4)米税制改革法案の行方を見極めたいとの様子見ムードが強まる中、米長期金利の上昇を手掛かりにドルの買い戻しが入り、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、株価が下げ幅を拡大する動きとなったことや、米国債利回りが低下したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、米上院財政委員会の税制改革法案に、2019年までの法人税減税先送りが含まれたことが嫌気され、ドルは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、主要な経済指標の発表がないものの、商業決済の集中しやすい週末の五・十日であることから、仲値公示などの時間帯の動きには注目したい。また、オプションSQにあたることから株価の動きにも注目したい。米国では、ベテランズデー(退役軍人の日、11月11日)の祝日となり、一部の市場が休場となることから、限定的な動きが考えられる。また、消費者関連の経済指標の発表が予定されているものの、今回のベテランズデーが週末であり、市場参加者が少なくなる傾向があることから、やや反応に乏しく限定的な動きとなる可能性も考えられる。
11/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
0:00 | 米国 |
11月ミシガン大学消費者信頼感指数 |
100.9 | 100.7 |
前回は、市場予想と一致し、2004年以来の高水準となった。株価上昇などが好感され、現況指数が2000年11月以来の高水準となったことが影響した。今回は、前回から若干の上昇が予想されており、引き続き好調が維持されそうだ。ただ、一部では株価の高値を警戒する見方もあることから、6ヵ月後の先行き景況感を示す期待指数の変化には注目したい。 |