前営業日トピックス
東京市場では、米税制改革の議会協議が難航するとの見方を背景に、投資家がリスクを回避する姿勢を強め、 相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。その後は、円買いの動きが一服したが、日経平均、欧州主要株価が下落したことや、米国債利回りの低下もあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、引き続き米税制改革の先行き不透明感が材料視され、上値の重い動きとなった。ただ、下落していた米株価がプラス圏に上昇したことや、米国債利回りの上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)昨晩の米国市場での米長期金利の低下、株価の伸び悩みに加え、米上院の共和党執行部が法人税減税の実施時期を下院案の来年から19年へ1年間遅らせることを検討していると米紙が報じたことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。また、日経平均株価が下落して始まったことも加わり、円が買われる動きとなった。
(2)仲値公示にかけては、実需のドル買いフローが見られたものの、上げ幅は小幅に留まった。その後は、中国の貿易収支などの発表があったが、反応は限定的となり、方向感に欠ける動きとなった。また、113.75円をストライクとするオプション総額8.8億ドルが権利行使期限を迎えることから、この水準から大きく振れにくい動きが続いた。
(3)上昇して始まった欧州主要株価が下落に転じたことや、欧米の国債利回りが低下したことを受けて、ドル売り・円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、米税制改革の先行き不透明感から相対的に安全な通貨とされる円を買ってドルを売る動きも影響した。
(4)下落して始まった米株価がプラス圏まで反発したことや、米国債利回りが上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本や中国の主要な経済指標の発表が予定されており、この結果を受けた株価の動きに注目したい。米国市場では、経済指標の発表が予定されているものの、最近の傾向ではそれほど相場に影響が見られない指標であることから、市場予想の範囲内の結果となるようなら反応は限定的だろう。そして、米上院の税制改革法案の内容を見極めたいとの様子見ムードも漂っており、来週公表との報道もあったが、共和党院内幹事が上院案を9日公表の計画と発言したことから、公表される場合には内容に注目したい。
11/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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23.2万件 | 22.9万件 |
前回は、市場予想を下回り、3週前に付けた1973年3月31日までの週以来の低水準(22.3万件)に迫る結果となった。今回は、前週からやや増加が予想されているものの、ハリケーンの影響が完全に払拭していることから、良好な水準を維持する展開が続くと見られる。 |