前営業日トピックス
東京市場では、注目された日経平均株価が序盤堅調な動きとなったことが好感され、円売りが先行した。その後、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、ECB理事会の結果発表を控えて様子見ムードも強まっており、やや限定的な動きが続いた。注目されたECB理事会では、ECBが来年1月から金融緩和策の縮小を決定したものの、QEの規模や期間を拡大する選択肢を残したこともあり、ユーロは主要通貨に対して下落した。一方、ドルは対ユーロで上昇したことや、次期FRB人事に関する思惑を背景に、堅調な動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は日経平均株価が堅調な動きとなったことから、序盤のドル円・クロス円は小動きながら堅調な動きとなった。マーケットでは生保各社の下期運用計画が注目されており、積極的なオープン外債投資に前向きとの見方から、ドル/円は底固い動きとなった。
(2)仲値公示通過後は、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。しかし、欧州主要株価が序盤から堅調な動きとなったことや、米国債利回りの上昇を受けて、欧州勢が円売りを先行させたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)ECB理事会の結果発表を控えて様子見ムードが強まっている中、米国債利回りの低下を受けて、ドル売り・円買いとなったものの、値動きは限定的となった。ECBが市場予想通り量的金融緩和策の縮小を発表したが必要に応じQEの規模や期間を拡大する選択肢を残すとしたことなどが嫌気され、ユーロは主要通貨に対して下落した。特に、対ドルでは7/26以来、約3週間ぶりの安値を付ける動きとなった。一方、ドルは対ユーロで上昇したことや、イエレンFRB議長が次期FRB議長の指名争いから外れたとの報道を受けて、よりタカ派的な候補者が選ばれるとの見方が広がったことがドルの押し上げ材料となった。
(4)米株価の上昇や、米国債利回りの上昇を背景に、ドルは堅調な動きとなったものの、114円台ではやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、序盤に日本の消費者物価指数の発表が予定されており、株価などへの影響に注目したい。また、昨日日経平均株価がプラス圏に踏みとどまったことから、マーケットのセンチメントはネガティブになっておらず、また昨晩の米国市場で株価が上昇したことから、日本の株式市場も堅調な動きが予想されている。
米国市場では、3QのGDPの発表が予定されており、結果に注目したい。特にハリケーンの影響が表れる可能性があり、前期の結果から低下が予想されている。ある程度織り込まれていると考えられるが、予想以上の低下となるようなら、為替市場の反応も大きくなる可能性も想定しておきたい。
そして、ドル/円は週明けから4日連続で114円台乗せとなる場面があったものの、上値の重い展開が続いている。今年5月や7月のようにこの近辺から失速するのか、それとも上抜けて一段の上昇となるのか注目したい。
10/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3Q GDP(前期比年率) ![]()
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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2.6% | 3.1% |
前回は、市場予想を上回り、2015年3月以来の3%成長となり、個人消費が大きな伸びとなったことが影響した。今回の第3四半期のデータでは、ハリケーンの影響がどこまで数字に影響するのか注目される。 |