前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤からドル円・クロス円は軟調な展開で始まった。ここまで上昇が続いていた日経平均株価が下落して始まったことや、実需のドル売り・円買いフローが見られたことも影響した。その後も上値の重い動きが続いたものの、日経平均株価が終盤にかけて上昇となり、16連騰で歴代最長を更新したことなどからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利が上昇したことから、日米の金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが優勢となった。ただ、ドル/円は114円台近辺では上値の重い動きが続いた。終盤には、次期FRB議長人事に関する思惑などが交錯し、ドルはやや乱高下する場面もあった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)昨晩の米国市場の終盤に、北朝鮮が生物兵器を開発との報道を受けて、リスク回避の動きが出たことが引き続き材料視され、序盤からやや軟調な動きとなった。また、日経平均株価が下落して始まり、上値の重い動きとなったことや、仲値公示にかけて輸出企業のドル売り・円買いのフローが出たことも影響した。
(2)米国の年内の利上げやECB理事会での量的緩和の縮小が予想される一方、日銀の金融緩和の継続観測を背景にドル円・クロス円は底固い動きとなった。そして、日経平均株価が終盤にかけて上昇が続き、16連騰で歴代最長を更新したことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米国債利回りの上昇も円売りの後押し要因となった。
(3)米10年債利回りが、一時5月中旬以来約5ヵ月半ぶりの高水準まで上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが続き、ドル/円は前日に続き114円台まで上昇した。その後、米共和党の3議員が税制改革法案を支持しない可能性があるとの話が報じられたことを受けて、ドルは上げ幅を縮小する動きとなった。しかし、米上院共和党議員が、共和党議員による次期FRB議長の挙手投票でテイラー氏が勝利したと発言したことを受けて、ドルが買われる動きも見られ、思惑交錯からやや乱高下する場面もあった。
本日のトピックス
東京市場では、連騰が続く日経平均株価の動きが注目される。特に、前日の海外市場で米株価が上昇したことから、東京市場でも上昇の期待感が高まっている。また、本日は実需のフローが出やすい五十日(ごとおび)であることから、仲値公示近辺などの動きには注目したい。
米国市場では、前日に米国の税制改革法案や、次期FRB議長人事に関する思惑が交錯したことから、正式な結論が出るまでは積極的に動き難いだろう。その中で、住宅関連の米経済指標や、カナダ中銀の金融政策発表が予定されており、結果に注目したい。また、引き続き税制改革法案や次期FRB議長人事に関する要人の発言には注意したい。
10/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
9月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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1.0% | 2.0% |
前回は、市場予想を上回り、2014年8月以来の大幅なマイナスとなった7月から大きく改善した。今回は、前回からやや伸び幅の低下が予想されているが、特に変動の大きい航空機の結果が左右するケースが目立っており、航空機を除いたコア指数の結果にも注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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55.4万件 | 56.0万件 |
前回は、市場予想を下回り、昨年12月以来の低水準となった。8月終盤に上陸したハリケーンの影響が指摘されており、今回もハリケーンの影響が残っている可能性が考えられる。特に、結果に大きな影響を与える最大市場の南部がハリケーンの被害に遭っていることから、住宅市場への影響は続くとの見方も出ている。 |