前営業日トピックス
米税制改革案の実現の可能性に懐疑的な見方が広がったことを背景に、ドルが売られた流れが一服し、序盤から底固い展開となった。そして、序盤に発表された日本の消費者物価指数が予想を上回ったものの、反応は限定的となった。しかし、日銀が発表した金融政策決定会合の主な意見を受けて、米欧との金融政策の方向性の違いが改めて意識されたことから、円売り・ドル買いが優勢となった。その後は、米国債利回りの低下もあり、反落となった。米国市場では、米国の物価の伸びが低調となったことからドル売りとなったが、製造業関連の経済指標が良好な結果となったことや、FRB議長人事を巡る思惑からドルの買い戻しが入る場面もあった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤に発表された日本の消費者物価指数への反応は限定的だったが、日銀が発表した金融政策決定会合の主な意見で、2019年10月に消費増税が予定されている中、追加金融緩和によって総需要を一段と刺激することが必要との指摘があったことで、米欧との金融政策の方向性の違いが改めて意識され、円売りが優勢となった。また、仲値公示にかけて輸入企業のドル買いが入ったことも押し上げ要因となった。
(2)仲値通過後は上昇が一服したが、月末・四半期末のフローが見られ、底固い動きとなった。また、下落していた日経平均株価が、午後に入り下げ幅を縮小し、一時プラス圏まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、米国債利回りが低下したことなどもあり、上値の重い動きとなった。
(3)FRBが物価動向の目安とする米個人消費支出(PCE)物価指数が、市場予想を下回る結果となったことを受けて、米国の景気の弱さが意識され、ドルは主要通貨に対して下落した。
(4)シカゴ購買部協会景気指数が予想外の大幅上昇となったことや、トランプ大統領が利上げに積極的とされるケビン・ウォーシュ元FRB理事とFRB議長人事に関して面談したとの報道を受けて、ドル買いが優勢となった。ただ、ミシガン大学消費者信頼感指数がさえない結果となったことから、終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、午前中の日銀短観の結果を受けた株価などの動きに注目したい。また、海外市場では、ユーロ圏主要国の経済指標、米ISM製造業景況指数の発表が予定されており、結果を受けて動きが出る可能性も考えられる。ただ、週末に米雇用統計の発表を控えており、積極的な売買が手控えられる可能性も考えられ、反応は一時的となるだろう。
10/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する
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58.0 | 58.8 |
前回は、市場予想を上回り、2011年4月以来の高水準となった。新規受注が小幅低下したものの、雇用指数が2011年6月以来の高水準となるなど、大半の指数が上昇したことが要因となった。今回は、前回から若干の低下が予想されているが、引き続き高水準が維持されることから、懸念は高まらないだろう。ただ、ハリケーンの影響も懸念されており、やや注意も必要だろう。 |