前営業日トピックス
東京市場では、衆院の解散決定を控えていたこともあり、序盤から小動きの展開が続いた。午後には、一旦上げ幅を縮小していた日経平均株価が再び上げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、衆院の解散を受けて思惑が交錯したことや、ポジション調整の動きなども見られ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、米雇用関連の経済指標が悪化したことや、米税制改革案の実現に懐疑的な見方が出たことも影響し、ドルは軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。衆院の解散が予定されていることから、やや様子見ムードも強まっており、限定的な動きが続いた。
(2)午後に入り、衆院の解散を受けて、日経平均株価が再び堅調な動きとなったことや、米国債利回りが上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)円売り一巡後は、利益確定の動きが見られた。また、米長期金利の指標となる10年債利回りが、7月中旬以来約2ヵ月半ぶりの高水準から低下する動きとなったことも、ドル売り・円買いを加速させた。
(4)米GDPが市場予想を上回る結果となったことを受けて、一時ドルが買われる場面もあったが、米新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、米南部を襲った大型ハリケーンの影響の大きさが改めて示されたことから、ドルは上値の重い動きとなった。また、米税制改革案の実現に懐疑的な見方も出ていることや、米国債利回りの低下が続いたことから、ドル売り・円買いが続いた。
本日のトピックス
いよいよ選挙戦に突入となり、野党がどのような形、体制となるのか、また、どの程度票が獲得できるのかがポイントになっている。マーケットでは、与党が勝利してアベノミクスによる経済政策や金融緩和の路線が継続すると予想されており、株価やドル/円は底固い動きが続くと見られている。
過去の解散・総選挙では、政策に対する期待感から、株価が投票日までは比較的堅調な動きが続くというデータがあることから、やや楽観的な見方も多い。
本日の東京市場では、日本の主要な経済指標の発表が予定されていることや、日銀の金融政策決定会合の主な意見が公表される予定であり、結果や内容に注目したい。欧州市場では、独、仏、英など、欧州主要国の経済指標の発表が予定されている。また、米国市場でも複数の主要な経済指標の発表が予定されているが、ハリケーンによる影響や物価の動向を注視しながら、12月の利上げの後押しとなるか見極めたい。
9/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月個人支出(前月比)
1ヵ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額を集計した経済指標。
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0.1% | 0.3% |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、4ヵ月ぶりの高い伸びとなった。今回は、伸び幅の低下が予想されているが、米南部を襲った大型ハリケーンの影響が懸念されており、予想以上の低下となる可能性も一部では予想されており、結果に注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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95.3 | 95.3 |
前回は、市場予想と一致し、8月から低下となった。2つのハリケーンの影響などもあり、現況指数と期待指数の結果がまちまちとなっており、今後発表される個人消費の結果によっては、消費者のマインドが変化する可能性もあるだろう。 |