前営業日トピックス
東京市場では、北朝鮮の建国記念日の9日に動きがなかったことで、リスク回避の動きが後退し、円が売られる動きとなった。ただ、国連安全保障理事会による北朝鮮への追加制裁決議案の採決を控えていることから上値は限定的となり、その後は小動きの展開が続いた。
海外市場では、北朝鮮情勢に対するリスク回避の動きが和らいだことが引き続き材料視されたことや、欧米の主要株価の上昇、また米国債利回りの上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)9日の北朝鮮の建国記念日に軍事行動に対するリスクに備えて短期筋のドル/円でのショートが積み上がっていたが、軍事行動がなかったことから、ショートカバーの動きが先行した。また、日経平均株価が上昇して始まったことも影響し、ドル円・クロス円は上昇した。
(2)新規材料に乏しい中、国連安全保障理事会による北朝鮮への追加制裁決議案の採決が予定されており、結果を見極めたいとの思惑から限定的な動きが続いた。
(3)海外市場では、改めて北朝鮮による挑発行動がなかったことが材料視され、相対的に安全な通貨とされる円を売る動きが優勢となった。そして、欧米の株価上昇に加え、米国債利回りの上昇、また 大型ハリケーン「イルマ」の被害が予想よりも小さかったとの見方が強まったことも影響し、ドル買い・円売りが優勢となった。
本日のトピックス
北朝鮮情勢に対するリスク回避の動きが一旦後退したことで、円買いが続いた先週の流れに対する反動から、円売りの動きが続く可能性も考えられる。また、米国のハリケーン「イルマ」の被害が想定されたよりも小さくなるとの見方が引き続き材料視されるだろう。
東京市場では、引き続き株価が堅調な動きとなるのかにも注目される。米国市場では、雇用関連の経済指標の発表が予定されているが、前回からやや低下が予想されているものの、引き続き高水準が維持されると予想されており、十分な求人件数が今後の賃金の上昇に繋がるとの期待感もある。一方、ハリケーン通過で、被害が米経済にどの程度影響するのかなどの懸念もあり、やや上値の重い動きも考えられる。また、北朝鮮情勢に対する懸念はやや後退しているものの、マーケットでは依然として動向に注目が集まっている。
9/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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600.0万件 | 616.3万件 |
前回は、市場予想に反して大きく増加となり、過去最高となった。ただ、雇用は減少し、解雇者数も増加した。今回は、前回の反動から求人件数の減少が予想されているが、依然として高水準を維持しており、懸念要因にはなり難いだろう。 |