前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場でドル売り・円買いが進んだ流れを引き継ぎ、朝方の取引ではドル売りが先行したが、東京株式市場が始まってからは、日経平均が下げ幅を縮小したことを好感したドル買いが入り、再びドル/円は108.80円台まで買い戻される場面もあった。ロンドン時間に北朝鮮で地震との誤報があり、一時ドル売り・円買いになったが、その後、急速に戻す場面もあった。
NY時間に入ると前日に大幅下落した株式市場が値を戻したことで、一時109円を超えたが、フィッシャー・FRB副議長が辞任するとの報道を受けて、再び108円台に値を戻した。一方、カナダ中銀が25bpの利上げを決定したことでカナダドル/円が急騰する場面もあった。ロンドン市場終了後に、トランプ米大統領の発言や、債務上限の引き上げが合意したことが伝わると、ドル/円は米国債利回りとともに上昇し、高値を付ける展開となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場でドル売り・円買いが進んだ流れを引き継ぎ、ドル/円は朝方の取引で一時108.80円から108.50円まで下落。株式市場が始まると、日経平均株価の下げ幅が次第に縮小したことでドルが買われ、再び108.80円台を付けた。東京市場終了後にはロンドン勢の買いが入り、108.84円まで上昇した。
(2)北朝鮮で地震発生との情報が入ったことで、リスク回避でドルが売られ、ドル/円は一時、108.46円まで下落した。しかし誤報だったことが伝わると、ドルの買戻しが入り108.90円台まで上昇した。
(3)前日に234ドル下落したダウ平均株価がプラスでスタートしたことでドル買いとなり、ドル/円は東京、ロンドン時間に超えられなかった109円を突破し、一時109.18円まで上昇した。しかし、フィッシャー・FRB副議長が10月に辞任するとの報道を受けて米国債利回りが低下。ドル/円は再び109円割れとなり、108.71円まで下落した。
(4)トランプ米大統領の「北朝鮮での軍事行動は最初の選択肢ではない」という発言が、北朝鮮問題の緊張緩和と受け取られたことで、米国債利回りが上昇に転じドルが買われた。その後、トランプ米大統領と議会指導部は債務上限引き上げを12/15まで延長することで合意したと伝わると、ドル/円は再び109円を突破し109.39円まで上昇した。
本日のトピックス
東京市場では10時30分に豪州の小売売上高の発表があり、今回は前回をやや下回る市場予想となっている。同時刻に発表される豪州の貿易収支の発表とともに注目したい。ロンドン時間のECB政策委員会は前日、ECB関係者から、緩和縮小が10/26まで決定する可能性は低いとの発言が出たことで、市場からは緩和縮小期待が少し後退したが、政策金利発表後のドラギECB総裁の会見で出口戦略について具体的な発言が出た場合、マーケットに大きな影響を及ぼす可能性があるため要注意。
引き続き、北朝鮮問題についてのトランプ米大統領を含めた米国要人の発言には注意したい。
9/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:45 | 欧州 |
欧州中銀 政策金利
ユーロ圏の統一的な金融政策を担う最高意思決定機関。理事会は、総裁・副総裁を含む幹部6人と、ユーロ圏各国の中銀総裁で構成され、原則として月に2回、ドイツのフランクフルトのECB本部で定例会合を開く。会合終了後は、ECB総裁が会見を実施する(議事録は公開していない)。
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ECBの政策金利が変更される可能性は低いが、発表後のドラギECB総裁の会見で、緩和縮小に具体的な方針が打ち出されるのかどうかに注目。 |