前営業日トピックス
東京市場では、欧米の株価上昇を受けて、日経平均株価が上昇して始まり堅調な動きとなった。ただ、その後は株価が上げ幅を縮小する動きが続いたことや、トランプ米大統領の発言を受けて、米政権運営を巡る不透明感が広がったことから、リスク回避の円買いが優勢となった。 また、ドイツやフランスの経済指標が予想を上回る結果となったことや、ドラギECB総裁の講演での発言を受けてユーロは主要通貨に対して上昇した。その後は、欧米の国債利回りの低下を受けて、円が買われる動きとなったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、米経済指標が予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。ただ、ジャクソンホールでのFRB議長やECB総裁の講演を控えて様子見ムードも強く、小動きの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米税制改革への期待から米経済の先行き懸念が和らぎ、比較的安全な通貨の円を売ってドルを買う動きが先行した。また、日経平均株価が上昇して始まったことも好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことに加え、トランプ米大統領がメキシコ国境に壁を建設すると発言したことや、債務上限問題に絡む政府施設の閉鎖に言及したことなどが嫌気され、ドル売り・円買いとなった。一方、ドイツ、フランスの経済指標が堅調な結果となったことや、ドラギECB総裁がドイツでの講演で、通貨高への懸念を示さなかったことなどが好感され、ユーロは主要通貨に対して買われた。
(3)欧米の国債利回りが低下したことから、円が買われる動きとなった。また、米国市場では、前日のトランプ米大統領の演説での発言が改めて材料視され、投資家のリスク回避姿勢が強まり、ドル売り・円買いが優勢となった。
(4)ジャクソンホールでのイエレンFRB議長やドラギECB総裁の講演内容などを見極めたいとのムードも強く、小動きの展開が続いた。ただ、北朝鮮が米韓軍事演習を非難する報道を受けて、円が買われる場面もあった。
本日のトピックス
本日から26日まで、米ワイオミング州ジャクソンホールで経済シンポジウムが開催される。イエレンFRB議長やドラギECB総裁の講演を控えて、発言に関する思惑も交錯しており、積極的にポジションをとりにくいと考えられる。そのため、やや限定的な動きとなるだろう。
また、昨日のトランプ米大統領の発言を受けて、米政権運営を巡る不透明感も出ていることが引き続き影響する可能性も考えられる。
東京市場では、午後に日本の景気関連の経済指標の発表があるが、影響は薄いだろう。海外市場では、英国の第2四半期GDP、個人消費、米国の中古住宅販売件数の発表が予定されており、結果に注目したい。また、北朝鮮情勢の懸念も依然として燻っており、明日(25日)は北朝鮮の「先軍節」であることから、徐々に北朝鮮の動向に警戒感が強まる可能性も考えられる。
8/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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555万件 | 552万件 |
前回は、市場予想を下回り、2月以来の低水準に低下した。需給がタイトとなり、販売価格が過去最高水準まで上昇していることが影響している。今回は、若干の改善が予想されており、引き続き高水準を維持すると予想されているが、ここから更に伸びるためには、在庫の増加と価格の低下が条件となる。今後の当該指標の結果を予想する上で、この2点は抑えておきたい。 |