前営業日トピックス
アジア市場では、日本が祝日で主要市場が休場となり、新規材料に乏しい中、北朝鮮を巡る国際情勢の緊迫化への懸念が引き続き材料視され、序盤から安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。特に、ドル/円は約2ヵ月ぶりに108円台まで下落した。ただ、108円台では値頃感の買い戻しが入るなど、底固い動きが続いた。そして、注目された米物価関連の経済指標が市場予想を下回る結果となったことから、ドルは主要通貨に対して下落した。その後ドルは対円などで買い戻しの動きから一時反発する場面もあったが、引けにかけては上値の重い動きが続き、終盤には再び108円台まで下落した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)北朝鮮を巡る国際情勢の緊迫化が引き続き材料視され、投資家のリスクを回避の動きから、比較的安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。 また、中国などのアジア株が下落したことも、円買い・ドル売りを後押しした。
(2)新規材料に乏しい中、米国債利回りが上昇して始まったことを受けて、ドル買いとなったが、欧州主要株価が下落したことなどが影響し、ドル円・クロス円はその後軟調な動きとなった。
(3)108円台では底固い動きが続き、109円台まで値を戻す動きとなったが、米消費者物価指数が予想を下回る結果となったことを受けて、ドル売りが加速した。ドル/円は一時108.74まで下落し、4/20以来の安値を付ける動きとなった。
(4)値頃感の買い戻しなどもあり、ドルは反発する動きとなった。また、ロシア外相が北朝鮮の核兵器保持は受け入れられないと主張し、米国と北朝鮮との緊張緩和に向けたロシアと中国の計画に言及したとの報道を受けて円が売られた。また、米国債利回りが上昇したことも円売りを後押しした。その後はハト派的な当局者の発言などもあり、再び108円台まで下落した。ただ、クロス円は比較的堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の実需などの大半は夏季休暇入りしていることから、市場参加者も少なく、限定的な動きが考えられる。ただ、日本の主要な経済指標の発表に加え、中国の主要指標も予定されており、結果に注目したい。そして、薄商いとなる場合には、値動きの荒い展開となることもあることから、注意も必要だろう。また、北朝鮮情勢の緊張が高まるようなら、リスク回避の動きが強まる可能性もあり、関連する報道や要人発言などにも注意したい。米国市場では、主要な経済指標の発表や当局者の発言予定もないことから、限定的な動きが考えられる。