前営業日トピックス
前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円はやや上値の重い展開で始まった。仲値公示にかけては、実需のドル買いが見られ、ドルが押し上げられる場面もあったが、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、英国の金融政策発表や、週末の米雇用統計を控えて様子見ムードが強まったことから、小動きの展開が続いた。
また、安倍政権の内閣改造人事が発表されたが、事前の報道などもあり、市場の反応は限定的だった。そして、英中銀の金融政策発表があり、市場の予想通り政策金利などは据え置きとなったが、GDPの見通しが下方修正されたことが嫌気され、利上げ期待の後退も加わり、ポンドは主要通貨に対して下落した。
その後、米ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことも加わり、投資家のリスク回避の動きが意識され、安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。その後、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いたが、ドルは終盤には一段安となる場面もあった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しく、序盤からレンジ内のもみ合いの動きとなった。海外市場で堅調な動きとなったことから、利益確定の売りが出たことや、日経平均株価が軟調な展開で始まったこともあり、上値の重い動きが続いた。
(2)日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、円が買われる動きとなり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、安倍政権の内閣改造人事が発表されたが、主要閣僚に目立った入れ替えがなかったことから反応は限定的となった。また、米雇用統計を控えた様子見ムードも出ていることから、引き続きもみ合いの動きが続いた。
(3)英中銀が主要政策金利を据え置くとともに、GDPの見通しを下方修正したことを受けて、ポンドが主要通貨に対して大きく下落となった。また、世界経済に対する先行き懸念も連想され、比較的安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)米雇用関連の経済指標が予想より良好な結果となったことから、ドル/円とポンド/円以外のクロス円は値を戻す動きとなった。しかし、ISM非製造業景況指数が市場予想を下回る結果となり、2016年8月以来の低水準となったことが嫌気され、ドルは軟調な動きとなった。また、米国債利回りの低下が続いたことも影響し、クロス円も軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がないことや、米国の雇用統計の発表を控えていることから、様子見ムードが強まる可能性もあり、やや限定的な動きが考えられる。ただ、豪中銀の四半期金融政策報告が予定されていることから、内容によっては、豪ドルが影響を受ける可能性も考えられる。
米雇用統計では、今週発表された雇用関連などの経済指標の一部がさえない結果となったことから、見方が分かれている。特に、ADP雇用統計の単月分や、ISM非製造業景況指数の総合指数が市場予想を下回ったこと、またISMの雇用指数が2ヵ月連続で低下となったことで、予想以上の低下となるとの見方も出ており、発表直後の動きには注意したい。また、金融政策を見極める上で、賃金の伸びが注目されていることから、こちらの結果にも注目したい。
8/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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+18.0万人 | +22.2万人 |
前回は、市場予想を上回り、安定的な伸びとされる+20万人を超える結果となった。今回は、前回からやや伸び幅が低下すると予想されているが、先に発表されたADP雇用統計やISM非製造業景況指数が予想を下回る結果となり、またISMの雇用指数も2ヵ月連続の低下となったこともあり、予想以上の伸び幅の低下となる可能性も想定しておきたい。 |