前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から上値の重い動きとなった。米経済指標の低下に加え、トランプ米政権の人事を巡る混乱などを背景にドルは上値の重い動きが続いた。仲値公示後は、ジリ安の動きとなり、ストップを巻き込んで下げが加速し、一段の下げとなった。その後は、欧米の国債利回りの上昇を受けて、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、序盤は堅調な動きとなったものの、米経済指標がさえない結果となったことや、米国債利回りの急速な低下を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は一時110円台を割り込む場面もあった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場で、シカゴ製造業景況指数の低下やトランプ米政権の人事を巡る混乱などを背景に、ドル売り・円買いが優勢となった流れを引き継ぎ、序盤からやや上値の重い動きとなった。仲値公示近辺では、実需関連のドル買い・円売りが入ったものの、上昇の勢いは続かなかった。
(2)ドル/円は、110.20円を割り込んだ水準でストップロスを巻き込んで下げが加速し、一時110.01まで下落し、6/15以来の安値を更新した。また、クロス円も一段の下げとなった。その後は、値頃感の買い戻しなどから値を戻す動きが見られたものの、引き続き上値の重い動きが続いた。
(3)新規材料に乏しい中、欧州の主要株価が堅調な動きとなったことに加え、欧米の国債利回りが上昇したことを材料に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米個人所得・消費統計がさえない結果となり、特にFOMCがインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)物価指数が、FOMCが目標とする2%を引き続き下回ったことを受けて、年内の米国の追加利上げを疑問視する見方が広がり、ドルは主要通貨に対して売られた。また、欧米の国債利回りが急速に低下したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。終盤にかけては値を戻す動きとなったが、上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の海外市場では、一時110円台割れとなったものの、値頃感の買い戻しも入り、底固い動きとなった。ただ、再び110円台を割り込むようなら、一段の下げとなる可能性も考えられることから注意したい。また、このところ株価の動きとの連動は少なく、欧米の国債利回りの動きに沿った動きが目立っていることから、欧米の国債利回りの動きにも注目したい。
米国市場では、ADP雇用統計の発表が予定されており、良好な結果となるようなら、週末の米雇用統計に対する期待感が高まる可能性もあるだろう。また、米国の石油在庫統計の発表も予定されており、結果を受けて原油価格に動きが出るようなら、株価や為替(特に資源国通貨)への影響も考えられることから、こちらの結果にも注目したい。
8/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
7月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上で参考にされる。
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19.0万人 | 15.8万人 |
前回は、市場予想を下回り、今年2番目に低い伸びとなった。製造業、建設業を含む財生産部門が横ばいとなり、サービス業の伸びが結果に反映された。今回は、前回から伸び幅が拡大すると予想されており、サービス業部門は引き続き堅調と見られていることから、財生産部門の伸びが結果を左右する可能性が考えられる。+20万人を上回る結果となるようなら、週末の米雇用統計への期待が高まるだろう。 |