前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、やや上値の重い展開で始まった。その後日経平均株価がプラス圏に改善したこともあり、底固い動きとなった。ただ、日本や欧州の金融政策発表を控えて様子見ムードも強まっており、その後は狭いレンジ内の動きが続いた。
海外市場では、欧米の金利低下を背景に円買いが優勢となり、また米国の利上げ観測の後退懸念や、政策の不透明感なども改めて材料視され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。円買い一巡後は、終盤まで小動きの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米上院でオバマケア(医療保険制度改革)の代替法案の可決が困難になったことを受けて、米政権の政策に対する警戒感を背景に、ドル安となった流れを引き継ぎ、序盤からやや上値の重い動きとなった。また、日経平均株価が軟調な展開で始まったことも影響した。
(2)日経平均がプラス圏に上昇したことや、仲値公示近辺で実需のドル買いが見られたことから、再び112円台まで上昇した。その後は、日欧の金融政策発表を控えて様子見ムードも出ており、やや盛り上がりに欠ける動きが続いた。その中で、株価や米金利の持ち直しで、一時112.20を超える動きも見られた。
(3)米金利も上昇の勢いが続かなかったことや、日銀金融政策決定会合、ECB理事会を控えて、ポジション調整の動きが出ているとの見方もあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(4)米国市場では、米政権の政策に対する警戒感や、早期利上げ期待の後退が改めて材料視され、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。また、欧米の国債利回りが低下したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、序盤に発表された米住宅着工件数は、市場予想を上回る結果となったものの、反応は限定的だった。また、米石油の在庫統計を受けて原油価格が上昇したことや、米国の利上げ期待の後退を背景に、豪ドルは堅調な動きとなり、対ドルで2015年5月19日以来の高値を付ける動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日銀の金融政策決定会合の結果発表に注目が集まっており、マーケットでは現状維持がコンセンサスとなっている。最近実施された日銀の「指値オペ」、「中長期国債買入れの増額」などを見れば、緩和政策からの出口論が浮上しているECBや、バランスシートの年内縮小開始が高まるFRBとの金融政策の方向性の違いが鮮明になっている。このことから、黒田総裁の会見での発言内容に注目したい。
また、海外市場では、ECB理事会の結果発表も予定されている。こちらも現状維持がコンセンサスだが、定例会見でドラギECB総裁が資産買い入れに関してより踏み込んだ発言をするのかどうかが注目されている。そして、タカ派的なトーンが示されれば、ユーロ買いとなる可能性も考えられる。
ただ、ユーロ圏の消費者物価指数の直近値が今年最低になるなど鈍化傾向を強めており、この要因としてユーロ高をけん制する可能性も考えられ、値動きには注意したい。
また、南アの政策金利発表も予定(日本時間22時20分頃の予定だが時間未確定)されており、マーケットでは金利据え置きがコンセンサスとなっている。ただ、インフレ率の低下が続いたことで、一部では利下げの思惑もあることから、注目しておきたい。
7/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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12:00頃 | 日本 |
日銀金融政策決定会合 結果発表 |
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先日、日銀が実施した指値オペ、中長期国債買入れの増額など、欧米の中銀の金融政策との方向性の違いが一段と鮮明になっている。今回も現状維持が予想されており、反応は限定的だろう。一方、黒田総裁の会見での発言が注目されており、特に長期金利の抑制、成長率見通し、物価見通しに関する発言には注目したい。 | ||||
20:45 | 欧州 |
ECB理事会 政策金利発表 |
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政策金利は据え置きがコンセンサスだが、その後の総裁の会見に注目が集まっている。ドラギECB総裁が資産買い入れに関してより踏み込んだ発言をするのか、あるいは物価上昇の鈍化がユーロ高などの為替要因が関係しているとしてユーロ高をけん制するのかにも注目。金融政策の正常化に向けてあらためてタカ派的なトーンが示されれば、ユーロ買いが強まる可能性も考えられる。 |