前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まった。また、上昇して始まった日経平均株価が、上げ幅を縮小する動きとなったことも影響した。そして、北朝鮮がミサイル発射との報道を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。その後、値を戻す場面もあったが、北朝鮮が重大発表をするとの報道を受けて、リスク回避の動きが強まり、また北朝鮮がICBMの実験成功と発表したことで、安全資産とされる円を買う動きが加速した。ただ、発表内容は想定の範囲内であったと受け止められたことから、下げ一巡後は下落前の水準まで値を戻す動きとなった。米国市場は、独立記念日で主要市場が休場となり、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことや、北朝鮮がミサイルを発射し、日本の排他的経済水域内に着水した可能性があるとの報道を受けて、リスク回避から円が買われた。また、仲値公示にかけて実需のドル売りフローが散見されたことも影響した。
(2)午後に入り日経平均株価がマイナス圏に下落したことや、北朝鮮が重大発表をするとの報道を受けて、再びリスク回避的な円買いとなり、下押し圧力が強まった。そして、北朝鮮がICBMの実験成功と発表したことを受けて、ドル円・クロス円は一段の下落となった。また、豪中銀は、市場の予想通り政策金利を1.50%に据え置いた。ただ、タカ派的な声明が示されなかったことが嫌気され、豪ドルは下落した。
(3)北朝鮮の発表内容が概ね想定内だったとの見方から、下落前の水準まで反発した。ただ、欧州主要株価が軟調な動きとなったこともあり、その後は上値の重い動きとなった。
(4)独立記念日の祝日で、米国の主要市場が休場となったことから、主要通貨は狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、前日の米国の主要市場が休場だったことが影響し、限定的な動きが考えられる。ただ、前日の日本の株式市場は、北朝鮮のミサイル発射などの報道を受けて、地政学的リスクが意識されて下落したが、株式市場終了後に発表された北朝鮮の重大発表の内容が概ね想定内だったことから、為替市場では、下落前の水準に戻している。このことから、株式市場が堅調な動きとなるようなら、ドル円・クロス円も底固い動きとなる可能性が考えられる。
休場明けの米国市場では、雇用統計を控えて6日に発表される重要な雇用関連の経済指標の結果を見極めたいとの思惑から、限定的な動きも考えられる。また、FOMCの議事録が公開される予定であり、利上げのペースやバランスシート縮小に関する議論の内容には注目したい。
7/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月米耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-1.0% | -1.1% |
前回は、市場予想を下回り、2ヵ月連続のマイナスとなった。輸送機器のマイナスが拡大したことが影響している。今回の発表は5月の確定値であり、速報値から大きく乖離することが少ない傾向にあることから、速報値よりも相場への影響は限定的である。 |