前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が堅調な動きとなったことや、実需のドル買いも加わり、仲値公示近辺まで堅調な動きが続いた。その後、中国の経済指標の悪化を受けて株価が下落し、円が買われる場面もあったが、投機筋のドル買い意欲も根強く、底固い動きが続いた。
米国市場では、ADP雇用統計が予想を上回る結果となったことを受けて、ドル買いが優勢となり、クロス円も堅調な動きとなった。ただ、週末に米雇用統計を控えており、終盤まで限定的な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均が堅調な展開で始まったことや、米長期金利の持ち直しを背景に、ドル買い・円売りが先行した。また、国内の機関投資家や輸入企業のドル買いなども散見され、仲値公示近辺にかけて堅調な動きとなった。
(2)5月中国製造業PMIが前月から低下したことを受けて、日経平均株価が上げ幅を縮小、米長期金利の低下もあり、ドルは再び110円台に下落した。また、中国人民銀行が基準値を大幅な元高・ドル安水準に設定したことも影響した。ただ、午後に入ると、110円台で国内の機関投資家や輸入企業による買いニーズが根強く、底固い動きが続いた。
(3)米ADP雇用統計が市場予想を上回る結果となったことを好感して、ドルは堅調な動きとなった。その後は、米雇用統計を控えて様子見ムードも強まり、ISM製造業指数がほぼ予想通りの結果となったものの、反応は限定的となった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な指標発表も予定されているものの、日経平均株価が2万円台乗せとなるかどうかに注目が集まっている。2万円台乗せとなるようなら、為替市場にも影響が出る可能性もあるだろう。しかし、米雇用統計を控えて様子見ムードも強まっており、やや限定的な動きも予想される。ただ、前日の米雇用関連の経済指標が良好な結果となったことで、結果に対する期待感からジリ高となる可能性もあるだろう。
米国市場では、雇用統計の結果が注目される。結果が6月のFOMCやそれ以降の利上げペースに影響する可能性もあり、注目したい。
6/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月失業率
労働力人口に占める失業者の割合で16歳以上の男女が調査対象。失業中の場合、就業が可能な状態か、過去4週間以内に求職活動を行ったかどうかで失業者かどうか判断される。
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4.4% | 4.4% |
前回は、市場予想を下回り、2007年5月以来の低水準となった。今回は、前月から横ばいが予想されているが、完全雇用の水準を下回っているとの見方もあり、若干の悪化も直接的な影響は小さいだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
5月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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+18.5万人 | +21.1万人 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、3月の大幅低下から大きく増加した。今回は、前回からはやや伸びが低下すると予想されているが、事前に発表されたADP雇用統計が予想以上の伸びとなったことや、サービス関連の雇用が昨年11月以来の大幅な伸びとなったことから、予想以上の伸びとなるとの期待感もある。 |