前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の軟調な流れが一服し、小動きの展開で始まった。序盤、やや軟調な動きとなった日経平均株価が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円も上昇する場面もあったが、上値は限定的だった。
欧州市場では、値頃感のドル買い戻しや、株価が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったが、112円台手前近辺では、上値の重い動きとなった。
米国市場でも、経済指標がまちまちの結果となったことから、上値の重い動きが続いた。そして、原油価格が大きく下落したことが影響し、ドル円・クロス円は終盤まで上値の重い動きが続いた。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)FOMC議事録を受けて、米国の利上げペースが緩やかになるとの思惑が拡大し、ドルが軟調な動きとなった流れが一服し、序盤は小動きの展開となった。そして、米国債利回りが持ち直したものの、日経平均株価が上値の重い動きとなったこともあり、もみ合いの動きが続いた。また、五十日(ごとおび)であり、仲値公示前後には、実需筋のドル買いが見られたものの、上値は限定的となった。
(2)日経平均株価が上げ幅を拡大したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、上昇は一時的で上値の重い動きが続いた。
(3)下落して始まった欧州主要株価が上昇に転じたことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、短期筋を中心とした欧州勢がドルの買い戻しを先行させたことも影響した。
(4)米経済指標がまちまちの結果となり、やや方向性に欠けるもみ合いの動きとなった。OPEC、非OPECの原油減産が合意されたものの、シェールオイルの増産が強まるとの懸念を背景に、原油価格が大きく下落したが、米主要株価の上昇もあり、売り買いが交錯するもみ合いの動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日本の消費者物価指数の結果を受けた株価の影響を見極めたい。また、週末で月末を控えていることから、実需の動きが活発になる可能性もあり、仲値公示、引け間際のドルの動きには注目したい。
米国市場では、GDP、個人消費、耐久財受注など、主要な米国の経済指標の発表が予定されており、先のFOMCの議事録で「最近の弱含みの経済指標が一時的であるという証拠を待つのが賢明」との見方が示されており、特にGDPや来週の米雇用統計が注目されている。
そして、来週月曜日は米国市場がメモリアルデーで休場となることから、3連休を控えて午後にはやや薄商いとなる可能性も考えられる。
5/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
1Q GDP(前期比年率) ![]()
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、米国の個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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0.9% | 0.7% |
前回は、市場予想を下回り、2014年3月以来の低水準となった。GDPの7割を占める個人消費が2009年12月以来の低水準に落ち込んだことが影響したが、マーケットの一部では、マイナス成長が警戒されていたこともあり、ドルは上昇となった。今回は、前回から改善が予想されているが、米当局者らの発言などから、1Qの低迷は織り込まれていると考えられる。予想外の改善となれば、為替市場への影響もあるだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
4月耐久財受注(前月比) ![]()
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-1.5% | 0.9% |
前回は、市場予想を上回る結果となり、4ヵ月連続の伸びとなった。今回は、その反動からマイナスへの低下が予想されている。変動の大きい輸送機器を除いた指数は、前回から改善が予想されており、予想通り改善となれば、下げは限定的となるだろう。 |