前営業日トピックス
東京市場では米当局者の発言を受けて、序盤から堅調な動きとなった。ただ、ドル/円は112円台近辺では、戻り売りのフローも多く、上値の重い動きとなった。また、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことなどもあり、反落する場面もあったが、終盤にかけて株価が堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、ドル/円は112円近辺では上値の重い動きが続いた。
米国市場では、住宅関連の経済指標が予想を下回ったことを受けて、上値の重い動きとなったものの、米当局者の発言などが材料視されて6月の米利上げの可能性が再び意識されたことからドル買いが進んだ。そして、FOMCの議事録公開では、ハト派的な見解を受けてドルが主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米当局者が利上げに前向きな発言をしたことを受けて、ドル買いが先行した。ドル/円は、一時111.99まで上昇したものの、112円台を前に利益確定や戻り売りに押された。黒田日銀総裁や米FRBのバーナンキ前議長が講演で発言したものの、内容に目新しさはなかったとの声が目立った。また、日経平均株価が堅調な展開で始まったものの、その後上げ幅を縮小する動きとなったことが影響し、ドルは下落した。
(2)実需のドル買いで仲値公示にかけて値を戻す動きが見られたものの、仲値公示通過後は反落となった。ただ、日経平均株価が引けにかけて再び堅調な動きとなったことや、米10年債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、欧州勢がドル買い・円売りで参入したこともあり、ドル/円は一段高となり、112円台乗せとなった。
(3)ドイツやフランスの主要株価が下落したことや、米国債利回りの低下を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)米FOMC議事録の公表を控えて様子見ムードも広がり、米経済指標が予想を下回る結果となったものの、反応は限定的となった。そして、6月の米利上げの可能性が意識されたことや、米国債利回りの上昇を受けて、ドル買いが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(5)FOMCの議事録では、経済指標が一時的でさらなる証拠を待つのが賢明との見解が示されたことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、円が買われる動きとなったことから、クロス円もやや軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、米国市場からの軟調な流れが一服となるのか、引き続き軟調な動きとなるのか注目したい。また、商業決済が活発になる五十日(ごとおび)であることから、仲値公示近辺や、引け間際の動きに注目したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているが、前日のFOMC議事録で示された見解が引き続きドルの上値を重くする要因となるだろう。また、米当局者の発言にも注目したい。
5/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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23.8万件 | 23.2万件 |
前回は、3週連続の減少となり、2/25の週以来の低水準となった。今回は、前回から若干増加が予想されているものの、23万件台を維持できれば、引き続き労働市場の引き締まりが意識されるだろう。 |