前営業日トピックス
東京市場では、前日に北朝鮮がミサイルを発射したことが材料視され、投資家のリスク回避の動きから円買いが先行した。その後は本邦企業のドル買い・円売りのフローなども入り、仲値公示まで堅調な動きが続いたものの、仲値公示通過後は上値の重い動きが続いた。
そして、日経平均株価がやや軟調な動きだったものの、アジアの主要株価が堅調な動きとなったことや、欧州主要株価が上昇して始まったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米製造業関連の経済指標が予想外のマイナスに落ち込んだことが嫌気され、ドルは主要通貨に対して下落した。下げ一巡後は、原油価格や米株価の上昇に加え、米債券利回りの上昇も加わり、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)14日に北朝鮮がミサイルを発射したことで、あらためて地政学リスクへの警戒感が意識され、比較的安全な資産とされる円を買う動きが先行した。ただ、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことや、商業決済の集中しやすい五十日(ごとおび)に当たり、実需のドル買いが出ていたことから、仲値公示近辺までドル/円は堅調な動きとなった。
(2)中国の小売売上高や鉱工業生産がさえない結果となったことや、下げ幅を縮小する動きとなった日経平均株価がやや頭打ちとなったことから、上値の重い動きとなった。ただ、日本株を除き、アジア株が総じて堅調だったことや、欧州主要株価が上昇して始まったことなどを受けて、欧州勢が円売りで参入したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、欧州主要株価がマイナス圏に下落したことから、やや上値の重い動きとなった。
(3)材料に乏しく小動きの展開が続いたものの、NY連銀製造業指数が改善予想に反してマイナスに落ち込んだことを受けて、ドルは主要10通貨の大半に対して下落した。
(4)米株価や原油価格の上昇、また米債券利回りの上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。終盤には、株価や原油価格が上値の重い動きとなったこともあり、小動きの展開が続いた。なお、ユーロ/円は一時124.90まで上昇し、2016年4月28日以来の高値を付ける動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、主要な日本の経済指標の発表がないものの、日経平均株価の動きが注目される。日経平均株価は、大型連休明けから2万円の大台を前にして上値の重い動きが続いているが、前日に欧米の株価上昇を受けて、2万円の大台乗せとなるのか注目される。そして、2万円台乗せとなるようなら、投資家のリスク志向の動きが高まる可能性も考えられる。
英国や欧州では主要な経済指標の発表が予定されており、結果には注目したい。また、米国市場でも主要な経済指標の発表が予定されており、米国経済の堅調さが示される内容なら、ドル上昇材料となるだろう。
5/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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126.0万件 | 121.5万件 |
前回は、市場予想を下回り、4ヵ月ぶりの低水準に減少した。一戸建て住宅が大きく落ち込んだことや、集合住宅が4ヵ月ぶりの低水準に落ち込んだことが影響した。今回は、前回の反動から改善が予想されている。2四半期の米経済を占う上で牽引役となる住宅の指標の改善は必至であり、結果が注目される。 | ||||
21:30 | 米国 |
4月建設許可件数
住宅建設許可件数は、住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
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127.0万件 | 126.0万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となった。今回は、若干の増加が予想されており、前月に続いて堅調な結果が期待されている。前々回が大きく減少したことから、前月の着工件数に影響が見られるなど、今回の結果が1-2ヵ月後の着工件数に影響することが多いことから、結果には注目したい。 |