前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場で北朝鮮が核実験を計画しているとの報道を受けて株価が下落し、リスク回避の動きが意識され、序盤のドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、日経平均株価が上昇して始まったことや、実需のドル買いフローなどもあり、ドルは堅調な動きも見られた。ただ、その後は株価が上げ幅を縮小する動きとなったことなどから、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が予想を上回る結果となったことや、原油価格が大幅上昇となったこと、また米債券利回りが上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)北朝鮮が6回目の核実験を計画しているとの一部報道を受けて米株価が下落し、リスク回避の円買いが強まった流れを引き継ぎ、序盤のドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、ロス米商務長官が「ドルが強すぎるのではなく、他の通貨が弱すぎる」と発言したことも影響していた。
(2)日経平均株価が堅調な展開で始まったことや、商業決済が集中しやすい五十日(ごとおび)で、本邦輸入企業のドル買いも入り、仲値公示にかけて堅調な動きが続いた。ただ、仲値公示通過後は、実需のフローも一服し、日経平均株価が上げ幅を縮小したことなどが影響し、上値の重い動きとなった。
(3)黒田日銀総裁が、金融緩和推進が適切であるとの見解を示したことや、欧州勢がフランス大統領選の結果を受けて政治リスクが後退したことを引き続き材料視し、円売りを先行させたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、その後は欧州主要株価が軟調な動きとなったことや、ドラギECB総裁の演説を前にユーロ売りとなった。
(4)米国市場では、序盤に発表された米経済指標が予想を上回る結果となったことから、ドルは堅調な動きとなった。また、米債券利回りが上昇したこともドルの押し上げ要因となった。そして、原油価格が大幅上昇となったことも加わり、ドル円・クロス円は終盤まで堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の結果や、日経平均株価の動きに注目が集まっている。先週末から日経平均株価は、2万円の大台を前に停滞が続いており、上抜けとなるのかここから失速となるのか方向性に注目したい。
欧州市場では、英国の金融政策発表が予定されており、政策金利などの据え置きがコンセンサスとなっている。ただ、採決では全会一致が続いていたが、前回は利上げを主張するメンバーが現れたことを受けて、ポンド/円が1円以上の上昇となったことから、利上げを主張するメンバーが増えるのかどうか、採決の結果にも注目したい。
米国市場では、引き続き経済指標の結果や、米債券利回りの動きに注目したい。特に、30年債の入札が予定されており、前日の入札時(10年債入札)にはドルの動きが見られたことから、入札前後の債券市場の動きにも注目しておきたい。
5/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:00 | 英国 |
英中銀MPC政策金利発表
金融政策委員会(MPC 〜Monetary Policy Committee)は、イングランド銀行に設置されている委員会であり、総裁、副総裁(2名)、チーフ・エコノミスト、エグゼクティブ・ディレクター、4名の外部委員からなる9名の委員で構成されている。毎月上旬に開催され、政策は木曜日の会合後に発表を行う。
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0.25% | 0.25% |
前回は、予想通り金利据え置きを決定し、過去最低を維持した。ただ、これまで全会一致での決定だったが、メンバーの一人が利上げを主張し、8対1での決定となった。インフレ率がこのところ急上昇しており、中銀の目標に近づいていることから、利上げ派が増えるようなら、ポンドの上昇も考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
4月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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0.2% | -0.1% |
前回は、市場予想に反して低下となり、7ヵ月ぶりのマイナスとなった。エネルギー価格の下落が影響した。4月は、原油の平均価格が3月より1ドル程度高いことや、前日発表された輸入物価指数も原油の上昇が影響し、予想以上の改善となったことから、当該指数の予想以上の改善も期待される。 |