前営業日トピックス
東京市場では、当局者の発言を受けてドル/円が上昇する場面もあったものの上値の重い動きとなった。また、3営業日続伸が続いた日経平均株価が一服となったことも影響し、レンジ内のもみ合いの動きが続いた。
その後は、米長期金利の上昇や、欧州主要株価が堅調な動きとなったことから、ドル買い・円売りの動きが強まった。
また、米経済指標が市場予想を上回る結果となったことも好感され、ドルは堅調な動きが続き、特にドル/円は114円台まで上昇し、3/15以来の高値を付ける動きとなった。ただ、終盤には北朝鮮の駐英大使が核実験の可能性に言及したとの報道を受けて、リスク回避の円買いの動きが強まった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の堅調な流れが一服し、序盤はやや上値の重い動きとなった。ただ、黒田日銀総裁の追加緩和を示唆する発言を受けて円売りが優勢となった。
(2)仲値公示近辺では輸出勢のドル売りが入ったことや、米国債利回りが反落となったことも影響し、上値の重い動きが続いた。
(3)社債の発行や米国債の入札を控えた需給要因による債券売りなどが影響し、米債券利回りは軒並み上昇となり、ドル買い・円売りが強まった。また、欧州勢がリスク志向の動きを先行させたことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米債券利回りの上昇が続いたことや、米経済指標が市場予想を上回る結果となったことを受けて、米国市場でもドル円・クロス円は堅調な流れが続いた。ドル円は、今年3/15以来の114円台乗せとなり、ユーロは2016年5月12日以来の高値を付ける動きとなった。
(5)北朝鮮の駐英大使が核実験を実施すると発言したとの報道を受けて、リスク回避が意識され、安全通貨とされる円の買いが強まった。
本日のトピックス
東京市場では、やや上値の重い動きが考えられる。米国タイムの終盤に、北朝鮮の駐英大使が核実験を実施する可能性に言及したとの報道を受けて、リスク回避の動きが強まった。内容的には目新しさに欠けるものの、韓国大統領選の結果を受けて何らかのアクションがあるとの見方が一部にあったことから、やや過敏に反応した。ただ、この発言に対する米国などの反応が報道される場合には、緊張が高まる可能性も考えられることから、注意も必要だろう。
東京市場では、日経平均株価が2万円台乗せとなるのかにも注目が集まっており、朝鮮半島に関する新たな報道が出なければ、株価の動きに左右される可能性もあるだろう。
米国市場では、物価関連の経済指標の発表が予定されており結果には注目だが、ドル円相場との連動が目立つ米国の債券利回りの動きにも引き続き注目したい。
5/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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0.1% | -0.2% |
前回は、市場の予想通りマイナスとなり、昨年8月以来の低い伸びとなった。石油価格が4ヵ月ぶりの下落となったことが影響した。今回は、プラス改善が予想されており、4月の原油の平均価格が3月と比べ約1ドル高いこともあり、この影響が出ると予想されている。 | ||||
翌6:00 | NZ |
政策金利発表 |
1.75% | 1.75% |
ニュージーランド中銀は、昨年11月に主要政策金利を0.25%ポイント引き下げて以来、据え置きを続けており、今回も過去最低の1.75%に据え置く見込み。第1四半期の消費者物価指数は、前年同期比+2.2%と5年ぶりの高い伸びとなるなど、最近の上向きのインフレは好感できるが、政策金利を引き上げる程ではないだろう。ただ、据え置きでも敏感に反応することも多いことから、発表後のNZドルの動きには注意したい。 |