前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な展開で始まった。米財務長官が長期的には強いドルは良いことだと発言したことが引き続き材料視された。また、日経平均株価が上昇したことも好感された。
しかし、その後は日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことや、欧州主要株価が下落したことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
その後、メイ英首相が議会を解散し、総選挙を実施する計画を発表したこと受けて、ポンドが買われる動きとなり、ユーロもドルや円に対して堅調な動きが続いた。ドルは、米経済指標がまちまちの結果となったことや、米債券利回りの低下が続いたことから、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米株価の上昇で投資家の積極姿勢が強まっていたことに加え、日経平均株価が序盤に前日比190円以上の上昇となったことを好感して、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は109.22まで上昇した。
(2)仲値公示前後までは底堅い動きとなったが、その後日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことや、朝鮮半島情勢など地政学リスクへの警戒感も根強く、上値の重い動きが続いた。
(3)日米経済対話の共同文書の内容が伝わったものの、反応は限定的となった。ただ、株価が底固い動きとなったことや、米債券利回りの上昇もあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後は、欧州主要株価が下落したことや、フランス大統領選を控えて調整の動きなども見られ、軟調な動きとなった。
(4)米住宅関連の経済指標がまちまちの結果となったことや、米株価が下落したこともあり、ドルは上値の重い動きとなった。一方、メイ英首相が議会を解散し、6月8日に総選挙を実施する計画を発表したことを受けて、英ポンドは主要通貨に対して上昇となり、ユーロもフランス大統領選の世論調査で、前経済相のマクロン氏の支持率が上昇したことが好感され、ドルや円に対して上昇した。
本日のトピックス
東京市場では、主要な経済指標の発表がなく、序盤から小動きの展開が予想される。ただ、欧米市場で株価が下落したことから、東京市場の株価が追随する場合には、為替市場にも影響する可能性が考えられる。
米国市場では、主要な米経済指標の発表がないものの、地区連銀の経済報告が予定されており、これがFOMCの討議資料となることから内容に注目したい。特に、雇用や物価の報告に注目したい。
そして、昨日、英首相が議会を解散し総選挙を前倒しで実施する計画を発表したことを受けて、ポンドが主要通貨に対して大幅上昇しており、引き続き堅調な動きが続くのか、一服感から反落となるのかにも注目したい。
また、フランス大統領選の第1回目の投票を直前に控えて、世論調査の結果にも注目したい。
4/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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翌3:00 | 米国 |
米地区連銀経済報告[ベージュブック]
ベージュブックとは、米国の12の地区連銀による経済概況報告であり、前回のFOMC以降の経済情勢について、概況報告が行われる。そして、FOMCの討議資料となり、今後の金融政策の判断材料にもなる。報告書の表紙がベージュ色をしていることからベージュブックと呼ばれている。
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直近の雇用統計で雇用者数の伸びが大きく低下したことから、雇用情勢に関する各地区の報告に注目したい。また、目標に到達している物価に関する報告にも注目したい。 |
メイ英首相の総選挙発言を受けたポンド/円を確認
※出所:Net Dania ポンド/円 10分足
メイ英首相は官邸前で緊急声明を出し、2020年5月に予定されていた 下院(定数650)総選挙を早め、6月8日に実施する意向を表明しました。
英国では、総選挙の日程変更には下院の3分の2の承認が必要ですが、最大野党・労働党のコービン党首は「メイ首相の決定を歓迎する」と述べており、実施は確実な見通しです。
この声明前には、辞任があるのではなどの憶測によりポンドは一旦下落しましたが、英国のEU離脱交渉を控えて、総選挙はメイ首相にとって基盤強化になると受け止められ、その後ポンドは主要通貨に対して大きく上昇しました。特に、対ドルでは、2016年10月3日以来の高値を付け、対円でも3月31日以来の高値である139.9円まで上昇しました。