前営業日トピックス
東京市場のドル/円相場は、7日の米軍によるシリア攻撃や予想を下回った米雇用統計でも110円を割り込まなかったことで底堅さが確認されたとして堅調な展開で始まった。また、日経平均株価が上昇して始まったことや、商業決済が集中しやすい五十日(ごとおび)であることから、仲値公示にかけて輸入企業のドル買い・円売りも観測され、ドル/円は111.58まで上昇した。
その後、シリアや北朝鮮の地政学的リスクに警戒しつつ、NY時間に予定されるイエレンFRB議長講演で、利上げやバランスシート縮小に前向きな姿勢を示すかどうかに関心が寄せられ、様子見ムードが強かった。
NY市場が始まるとドル円は弱含みとなった。米長期金利の低下に伴うドル売りが出たほか、90ドル超まで上昇したダウ平均が一時マイナス圏に沈んだことなどが相場の重しとなり、ドル/円はアジア時間の安値を下抜けて110.81円まで値を下げたが、ダウ平均が再びプラス圏に戻したことで、111.00付近に反発する動きとなった。
NY時間の終了間際に始まったイエレンFRB議長の講演では、バランスシートの話が出なかったことから、ドル売りの反応が見られた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1) 商業決済が集中しやすい五十日(ごとおび)だったこともあり、仲値にかけて輸入企業のドル買い/円売りが観測された。日経平均が堅調に推移したことや米長期金利の上昇なども支援材料となった。
(2) 米セントルイス地区連銀のブラード総裁がオーストラリアで講演し、「米国は低成長・低生産性の局面にあり、こうした状態は将来にわたって続くだろう」と指摘した上で、「差し迫った利上げの必要性はない」との見方を改めて示した。
(3) NY市場が始まるとドル円は弱含みとなった。米長期金利の低下に伴う売りが出たほか、一時は90ドル超まで上昇したダウ平均がマイナス圏に沈んだことなどが相場の重しとなり、アジア時間の安値を下抜けて一時110.81円まで値を下げた。
(4) NY時間の終了間際に始まったイエレンFRB議長の講演では、バランスシートの話が出てこなかったことから、ドル売りの反応が見られた。
本日のトピックス
イエレンFRB議長は10日、経済を過熱させることなく健全な成長を維持するため、FRBは緩やかなペースで利上げすることを計画しているとの見解を示した。発言内容が市場の想定よりタカ派的ではなかったことから、ドルは発言後に下落した流れを受けて上値が重い展開が続きそうだ。
また、トランプ米大統領は11日に米大手企業首脳と会談する。 参加者は ゼネラル・モーターズやIBM、ウォルマート・ストアーズ、テスラ、ブラックロック、ブラックストーン・グループなどの最高経営責任者約20人。首脳らは小グループに分かれ、政権の優先事項である財政予算や環境、教育、商取引などをめぐり閣僚5人と協議を行う見通し。
4/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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17:30 | 英国 |
3月消費者物価指数(前年比) |
2.3% | 2.3% |
英国では2月にインフレ率がエコノミスト予想を上回る伸びとなり、過去3年余りで初めてイングランド銀行(英中央銀行)がインフレ率目標とする2%を突破した。 イングランド銀はこれまで景気支援を踏まえてインフレ率が2%の目標を超過することを容認する姿勢を示しているものの、国内の物価上昇圧力が高まり始めれば、方針の変更に注視する必要がある。 |
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18:00 | ドイツ |
4月ZEW景況感指数 |
14.5 | 12.8 |
3月のZEWドイツ期待指数は12.8と前月の10.4から上昇。同指数は向こう6ヵ月の景気見通しを示す。前回はオランダ議会選挙直前だったこともあり、政治をめぐる不透明感が景気見通しへの重石となった。米国の政策期待剥落やユーロ安一服などが影響し、今回もわずかな改善となる見通し。 |