前営業日トピックス
東京市場では、北朝鮮の弾道ミサイル発射について日米首脳が電話で会談したとの報道を受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、円が買われる動きとなった。また、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大したことも影響し、円が買われる動きとなった。
一方、値頃感を背景に、実需や公的機関からのドル買いもあり、ドル円・クロス円はもみ合いが続いた。
海外市場では、円買いの動きが一服したことや、原油価格、株価が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、雇用関連の経済指標が堅調な結果となったものの、米中首脳会議や米雇用統計を控えて様子見ムードも強まり、限定的な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)安倍首相とトランプ米大統領が、北朝鮮の弾道ミサイル発射について電話で会談したとの報道を受けて、朝鮮半島の緊張が懸念されたことで、リスク回避の動きが強まり円買いが優勢となった。また、日経平均株価が大きく下落したことも影響した。
(2)下げ一巡後は、仲値公示前後にかけて、輸入企業のドル買い・円売りなども入り、値を戻す動きが見られた。午後には、株価が下げ幅を拡大したことを受けて円が買われる一方、公的機関などによるドル買いも入り、もみ合いの動きが続いた。
(3)ドラギECB総裁が「フォワードガイダンスの文言からそれる必要はない」と発言したことが嫌気され、一時ユーロが主要通貨に対して下落する動きとなり、ユーロ/円は昨年11/21以来の安値を付けた。また、ドル/円やその他のクロス円も軟調な動きとなった。その後は、原油価格や米債券利回りの上昇などを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米雇用関連の経済指標が改善したものの、トランプ米政権の経済政策の実行が遅れることへの不安などを背景に、上値の重い動きとなった。そして、株価上昇などを受けて、堅調な動きとなる場面もあったが、米中首脳会談や米雇用統計を控えて積極的な売買が手控えられ、上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、米中首脳会談の内容を受けて動きが出る可能性が考えられるが、それまでは様子見ムードも強まり、積極的な売買も手控えられることから、限定的な動きが考えられる。ただ、週末であることから、仲値公示近辺では実需のフローが出てくる可能性もあるだろう。
そして、米中首脳会談では、貿易や為替、北朝鮮問題をめぐる意見の相違が鮮明になる場合には、リスク回避の動きが強まる可能性も想定しておきたい。
米国市場では、米雇用統計の発表が予定されている。事前に発表された参考指標はまちまちの結果となったこともあり、結果を受けて動きが出る可能性も考えられる。発表直後には非農業部門雇用者数の結果が、その後は賃金の伸びが材料視される可能性も考えられることから注目したい。
4/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
3月失業率
労働力人口に占める失業者の割合で16歳以上の男女が調査対象。失業中の場合、就業が可能な状態か、過去4週間以内に求職活動を行ったかどうかで失業者かどうか判断される。
|
4.7% | 4.7% |
前回は、市場予想通り4.7%となり、0.1ポイントの改善となった。FRB議長は以前、失業率の4.75%は完全雇用に相当するとの見方を示していることから、当面この近辺で推移する可能性が考えられ、大きく乖離しなければ相場への影響は限定的と考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
3月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
|
+18.0万人 | +23.5万人 |
前回は、市場予想を上回り、安定的な伸びとされる+20万人を2ヵ月連続で上回った。今回は、伸びが縮小すると予想されているが、民間のADP雇用統計では市場予想を大きく上回る結果となったことから、引き続き堅調な結果を予想する向きもある。ただ、その後のサービス業関連の雇用指数が悪化したこともあり、伸び幅が縮小するとの見方もある。 |