前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は軟調な展開で始まった。また、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、引き続き欧州市場では株価が下落したことを受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、円買いが強まった。
米国市場では、オバマケアを撤廃・代替する法案が可決されるかどうか不透明であり、トランプ政権の減税やインフラ投資などの政策が遅れるとの懸念が強まり、ドルが主要通貨に対して軟調な動きとなった。
特に、ドル/円は一時110.73円まで下落し、昨年11月22日以来の安値を付けた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米政権の経済政策運営を巡る先行き不透明感を背景に、ドル売り・円買いが続いており、序盤は軟調な動きとなった。一時、111.50円を割り込み、昨年11月以来の安値を付けたが、この近辺では底固い動きとなった。そして、日経平均株価が大きく下落して始まったものの値を戻す動きとなった。
(2)仲値公示後は、株価の下げ幅拡大などが改めて意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、輸入企業のドル買い・円売りなどもあり、底堅い動きとなった。そして、独DAX指数や英FT100指数など、欧州の主要な株価が下落して始まったことや、米10年債利回りが低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤値を戻す場面もあったが、世界的な株価下落や、米長期金利の低下を受けて、投資家のリスク回避姿勢が強まり、比較的安全な資産とされる円を買ってドルを売る動きが優勢となった。
(4)上値の重い動きが続いたが、終盤には株価が下げ幅を縮小したことを受けて、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がないものの、欧州の株価や米ダウ平均株価の下落が続いており、日経平均株価が引き続き下落となるのか、下げ止まるのかに注目したい。
海外市場では、主要な経済指標の発表が予定されていることや、イエレンFRB議長など、複数の米当局者の発言が予定されていることから、指標結果や発言内容に注目したい。
また、トランプ米政権の減税やインフラ投資などの経済政策の先行き不透明感を背景に、リスク回避の動きが続いていることから、米議会におけるオバマケアの代替法案の採決の動きにも注目したい。
3/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
2月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
|
56.5万件 | 55.5万件 |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、2016年2月以来の低水準から改善した。今回は前回から引き続き改善が続くと予想されている。そして、引き続き米国の住宅市場の堅調さが維持されているとの見方が強いことから、予想を下回る結果となった場合でも、大きな懸念にはならないだろう。 |