前営業日トピックス
休場明けの東京市場では、日経平均株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、値頃感の買い戻しの動きや、実需のドル買い・円売りなども入り、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
海外市場では、欧州の政治リスクに対する懸念や、米トランプ政権の経済政策の遅れに対する懸念から、リスク回避の動きが強まったことに加え、株価や原油価格の下落、米債券利回りの低下を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、日経平均株価が下落して始まったことなどを受けて、短期筋のドル売り・円買いが優勢となった。
(2)下げ一巡後は、仲値公示を挟んで実需のドル買いフローも流入し、ドルを押し上げた。また、序盤の短期筋のショートの巻き戻しも入り、堅調な動きとなった。
(3)欧州の政治リスクなどが意識され、欧州市場では円買いが先行した。また米国市場では、米国の利上げペースが緩やかになるとの見方や、トランプ米政権の掲げる経済政策が遅れることへの懸念も意識され、ドル売り・円買いが優勢となり、クロス円も軟調な動きとなった。
(4)一時値を戻す動きとなったものの、株価が下げ幅を拡大する動きとなったこともあり、上値の重い動きとなった。特に、ドル/円は年初来安値を更新する動きとなった。一方、ユーロ/ドルは2月2日以来の高値を付ける動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、1月分の日銀金融政策決定会合の議事要旨の公表、日本の貿易収支が発表されるが、反応は限定的だろう。むしろ、海外市場でドル/円が年初来安値を更新するなど、11月28日以来の安値を付ける動きとなったこともあり、一段の下振れとなるのかどうかにも注目したい。
特に、欧米市場で株価が大きく下落したこともあり、日経平均株価が連れ安となる場合には、その影響を受ける可能性もあるだろう。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果には注目だが、前日に大きく下落した株価が値を戻す動きとなるのかにも注目したい。また、翌日にイエレンFRB議長の講演など、再び複数の当局者の発言も予定されていることもあり、やや様子見ムードも強まる可能性も考えられる。
3/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
2月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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555万件 | 569万件 |
前回は市場予想を上回り、2007年2月以来の高水準となった。金利上昇にもかかわらず、引き続き底固さが見られている。今回は、前回からの反動でやや低下が予想されているが、結果を受けて懸念が広がる可能性は低いだろう。また、住宅在庫の状況にも注目したい。 | ||||
翌5:00 | ニュージーランド |
政策金利発表 |
1.75% | 1.75% |
前回は、市場の予想通り据え置きとなった。昨年10-12月期の経済成長は、中銀予想を下回る結果となったものの、天候不順による乳製品生産の不振や11月に発生した地震が原因で、影響は一時的とみられており、引き続き主要政策金利を1.75%に据え置くことが予想されている。 |