前営業日トピックス
東京市場では、日本の貿易収支で赤字額が予想より拡大したことを受けて、日経平均株価が下落して始まったことから、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。
下げ一服後は、米国の利上げ期待の高まりが意識され、ドルは底固い動きとなった。米国市場では、序盤に発表された米雇用関連の経済指標が予想以上の伸びとなったことを好感し、ドル買いが優勢となった。
また、米国の利上げ期待が高まったことや、債券利回りが上昇したことも影響し、日米の金利差拡大観測からクロス円も堅調な動きとなった。しかし、その後は原油価格や株価の下落、債券利回りの低下を受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本の経済指標の結果などが影響し、日経平均株価が下落して始まり、その後下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、円買いが優勢となった。また、中国の貿易収支が予想に反して赤字となったことも影響した。
(2)下げ一巡後は、3月の米国の利上げが意識され、米債券利回りが上昇したことも影響し、ドルが堅調な動きとなった。また、クロス円も底固い動きとなった。
(3)米ADP雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回る結果となり、2014年4月以来の大幅な伸びとなったことを好感し、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、米国の利上げ期待が更に高まったことから、ドル売り・円買いが強まり、クロス円も堅調な動きとなった。
(4)石油在庫統計で原油在庫が大きく増加したことを受けて、原油価格が大きく下落したことや、上昇していた米債券利回りが低下したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、主要な日本の経済指標の発表もなく、海外市場で株価も比較的小動きだったことから、日経平均株価も落ち着いた動きが予想されており、為替市場も限定的な動きが考えられる。また、ECB理事会の政策発表や週末の米雇用統計が近づいていることも影響するだろう。
海外市場では、ECBの政策発表が予定されているが、政策の現状維持が予想されており、結果を受けた反応は限定的だろう。ただ、その後のECB総裁の定例会見での発言には注意したい。また、米国では雇用関連の経済指標の発表が予定されているが、結果を受けて大きな動きはないだろう。
3/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:45 | 欧州 |
ECB理事会 政策金利発表
ユーロ圏の統一的な金融政策を担う最高意思決定機関。理事会は、総裁・副総裁を含む幹部6人と、ユーロ圏各国の中銀総裁で構成され、原則として月に2回、フランクフルト(ドイツ)のECB本部で定例会合を開く。会合終了後は、ECB総裁が会見を実施する(議事録は公開していない)。
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欧州の主要な経済指標が比較的堅調であることや、オランダ総選挙、フランス大統領選挙などを控えていること、また米FOMCで利上げの可能性が高まっていることから、政策の現状維持が予想される。ただ、その後のドラギECB総裁の会見での発言には注目したい。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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23.8万件 | 22.3万件 |
前回は、市場予想を大きく下回り、44年ぶりの低水準となった。今回は、前回からの反動が予想されているものの、予想よりも増加しなければ、雇用統計を控えていることもあり、反応は限定的だろう。ただ、引き続き22万件台ならドル上昇となる可能性もあるだろう。 |