前営業日トピックス
前日の米国市場終盤に、FOMCの投票権をもつNY連銀総裁が、早期の利上げの可能性に言及したことを受けてドル買いが続き、その流れを受けた東京市場でも序盤から堅調な動きとなった。
そして、日経平均株価が堅調な動きとなったことや、実需のドル買いなどもあり、仲値公示近辺まで堅調な動きが続いた。その後は、トランプ米大統領の議会演説を控えて調整の動きも見られた。
トランプ大統領の演説では、具体性にやや欠けるものの、無難に乗り切ったとの見方もあり、底固い動きとなった。そして、日経平均に加え、欧米の株価が大きく上昇したことや、米経済指標が堅調な結果となったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
ドル/円は一時、2週間ぶりに114円台乗せとなったが、その後は上値の重い動きとなった。終盤にかけては、円買い戻しの動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)NY連銀総裁が利上げに関して「比較的近い将来の公算が大きい」と発言し、ドル買いが優勢となった流れを引き継ぎ、堅調な動きとなった。特に、ドルショートが巻き戻されたことから、一段の上昇となった。また、日経平均株価が200円以上の上昇となったことも影響した。
(2)仲値公示通過後は、利益確定の動きなどもあり、反落となった。トランプ米大統領が議会演説で官民出資による1兆ドルのインフラ投資の法案承認を要請したことや、中間層への減税と法人税改革について発言したが、具体的な内容が出なかったことから、やや上値の重い動きとなった。
(3)演説では悪い材料が出なかったことが安心感を誘い、底固い動きとなった。また、マーケットでは、米国の3月利上げの有無に目が向いており、米金利先物市場では、3月の利上げ確率が前日の52%から80%に上昇するなど、利上げへの期待感が高まっていることもドルの押し上げ要因となった。
(4)日本の株価上昇を受けて、欧米の主要株価も大きく上昇する動きとなったことから、リスク志向の動きが強まり、円売りが続いた。また、米経済指標が堅調な結果となったことも影響し、ドル/円は2/16以来の114円台まで上昇した。
(5)114円台では上値の重い動きとなった。米主要株価が最高値を更新する動きとなったものの、利益確定の円買いなどが強まり、ドル円・クロス円は終盤まで軟調な動きとなった。
本日のトピックス
米国の早期利上げ期待が急速に高まっていることから、ドルは底固い動きが続く可能性が考えられる。また、株価も前日に続き、堅調な動きが予想されており、上昇後に反落とならず底固い動きが続くようなら、ドル円・クロス円は堅調な動きとなる展開も考えられる。
米国市場では、主要な経済指標の発表も少なく、イベント終了で明日のFRB議長などの発言機会を控えて様子見ムードが強まる可能性も考えられる。ただ、本日も米当局者の発言予定があり、このところ当局者の発言で動きが出ていることから発言内容に注目したい。また、最高値を更新している米株価の動きにも注目したい。
3/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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24.5万件 | 24.4万件 |
前回は市場予想を上回り、2週連続の増加となった。ただ、労働市場では完全雇用に近いことや、天候や季節的な要因もないことから、市場予想からの大きな乖離は考えにくい。引き続き、24万件台の堅調な結果が続く可能性が考えられる。特に、より変動の少ない4週移動平均が1973年7月以来の低水準となっていることから、引き続き改善が続くのか注目したい。 |