東京市場では、日経平均株価が堅調な展開で始まったものの、その後上値の重い動きとなったことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。その中で、月末の実需のドル売りなどもあり、ドルは下押しする場面もあった。
そして、終盤に日経平均株価が一段の下落となったことや、上昇して始まった欧州株が下落したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米国市場では、トランプ米大統領の米議会での施政方針演説を控えて、ドルは上値の重い動きが続いた。ただ、終盤には、複数の米当局者の発言を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）日経平均株価が堅調な展開で始まったことから、序盤のドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、株価が上げ幅を縮小する動きとなったことや、仲値公示にかけて月末の実需とみられる駆け込み的なドル売り・円買いフローが流入し、ドル円・クロス円は一時下押しする場面もあった。

（2）下げ一巡後は、短期筋の買い戻しも入り底固い動きも見られた。ただ、日経平均株価が上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、東北地方で強い地震(震度５弱)を観測したとの報道も円買いに反応した。

（3）上昇して始まった欧州主要株価がマイナス圏に下落したことや、トランプ米大統領の議会での演説を控えたポジション調整もあり、ジリ安の展開が続いた。また、原油価格や米株価の下落、米債券利回りの低下も加わり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。

（4）NY連銀総裁が「利上げの主張はより説得力のあるものになった」と発言したことを受けて、早期の利上げ期待が高まり、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、米債券利回りが上昇したことで、日米金利差拡大が意識され、円売りが優勢となり、クロス円も堅調な動きとなった。

日本時間午前11時にトランプ米大統領の米議会での演説が予定されており、マーケットでは、税制改革、インフラ、安全保障など主要な政策の詳細に言及があるかどうか発言内容に注目したい。ただ、トランプノミクスに対する市場の期待も薄れていることから、発言を受けて一時的にドルが上昇となっても、上値は限定的で調整局面が続くとの見方もあり、目先の方向性に注目したい。米国市場では、トランプ米大統領の発言が改めて材料視される可能性もあるが、主要な経済指標の発表があることや、マーケットの注目が3月利上げの有無に移っていることもあり、指標結果や当局者発言に注目したい。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
0:00	米国	2月ISM製造業景況指数 全米供給管理協会（Institute for Supply Management＝ISM）が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。	56.2	56.0
		前回は、市場予想を上回り、2014年11月以来の高水準となった。また、ここまで5ヵ月連続の上昇が続いており、市場予想も5ヵ月連続で上回っている。今回は、前回から一段の上昇が予想されており、結果が注目される。