前営業日トピックス
東京市場では、米国の保護主義的な政策への懸念を背景に、投資家のリスク回避の動きも見られ、ドル売り・円買いが先行した。また、通商面で日本が苦境に立たされるとの警戒が指摘されていることも影響していた。ただ、日経平均株価が堅調な動きが続いたことや、米債券利回りの上昇などもあり、その後は堅調な動きが続いた。
海外市場では、欧米の株価が堅調な動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、終盤には上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米トランプ政権の保護主義的政策への警戒感から円買い・ドル売りが優勢となった。また、ドル指数が一時99.83と昨年12月8日以来7週間ぶりの安値をつけるなど、ドル円・クロス円も上値の重い動きが続いた。
(2)日経平均株価が、終盤にかけて上げ幅を拡大したことで、リスク選好ムードが出たことや、米債券利回りの上昇を受けた円売り、また欧州勢のドル買いなどからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤の米雇用関連の経済指標が悪化したものの、反応は限定的となり、昨日2万ドルの大台に乗せたダウ平均株価などの動きを見極めたいとの思惑もあり、限定的な動きとなった。そして、住宅関連の経済指標も悪化したが、米株価が堅調な動きとなったことや、原油や米債券利回りの上昇が円売りを後押しした。
(4)米国債の好調な入札結果を受けて、米債券利回りが下落となり、ドル売り・円買いとなり、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、序盤に日本の主要な経済指標の発表や、堅調な動きが続いている日経平均株価の動きに注目したい。ただ、週末であることや、中国市場が本日から春節の休みに入ることから、アジア時間の参加者も少なくなることが予想されることから、引き続きポジション調整の動きが広がる可能性も考えられる。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果にも注目だが、連日ダウ平均などが最高値を更新していることから、株価の動きにも注目したい。また、連日トランプ米大統領の発言にも注目が集まっており、昨日も発言を受けてメキシコ・ペソなどが対ドルで下落するなど、影響が見られたことから、発言内容や発言を受けたマーケットの動きには注意したい。
1/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
4Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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2.2% | 3.5% |
前期は、堅調な個人消費などを背景に、2014年9月以来の高水準となった。今回の4Qの速報値では、個人消費の低下などが予想されていることなどから、全体で前期から低下が予想されている。予想以上の低下となる場合には、ドルが下振れとなる可能性も想定しておきたい。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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2.6% | -4.5% |
前回大きく低下したことから、今回はその反動で改善が予想されている。輸送機器、特に航空機の結果に大きく左右される特徴があることから、輸送機器を除いたコア指数にも注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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98.1 | 98.1 |
前回は、市場予想と一致したものの、前回からは0.1ポイント低下となった。ただ、12年ぶりの高水準近辺に留まっている。新しい経済政策に対する期待感などから、やや楽観的なムードがある反面、不安感も根強くあることから、現時点で期待感が強いのか不安感が強いのか見極めるために、結果が注目される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、一目均衡表を上抜け、重要なレジスタンスの113.99も上抜けて一段の上昇となった。その後、やや上値の重い動きとなっているが、ここから失速して一段の下げとなるのか、堅調な動きが継続するのか注目したい。上値のポイントはレジスタンスの114.85、ここを上抜ける場合には、上値目標の115.45を目指す可能性も考えられる。一方、下値はサポートの113.99がポイントとなり、ここを下抜けると、一目均衡表の雲上限近辺がポイントとなる。