前営業日トピックス
東京市場では、イエレンFRB議長が「2019年末まで年数回の追加利上げを想定している」と発言したことを受けてドルが上昇となった米国市場の流れを引き継ぎ、序盤は堅調な動きとなった。
ただ、週末の米大統領就任式で、トランプ大統領がドル高を牽制する発言をするとの警戒感もあり、その後は様子見ムードが強まり、限定的な動きが続いた。
そして、米経済指標が堅調な結果となったことや、ドラギECB総裁の発言を受けて、ドル買い、円売り、ユーロ売りとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。終盤には、米大統領就任式のトランプ大統領の演説に対する警戒感から調整の動きも見られた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)FRB当局者が、主要短期金利を2019年にかけて毎年数回引き上げていくとの予想を示したことでドル高・円安が続いた。ただ、米大統領就任式の演説を控えて、ポジション調整の動きも見られ、上値の重い動きとなった。
(2)やや上値の重い動きとなっていた日経平均が再び上昇したことや、欧州株価が上昇して始まったこと、米債券利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は115円台手前まで上昇したものの、再び上値の重い動きとなった。
(3)ECB理事会の政策発表や、ドラギECB総裁の会見を控えていること、またトランプ次期米大統領のドル高を牽制する発言への警戒感から、円買い・ドル売りの動きも出てもみ合いの展開となった。
(4)米新規失業保険申請件数や住宅着工件数など、米経済指標が堅調な結果となったことに加え、ドラギECB総裁が金融緩和策の継続を示唆したことから、ユーロが対ドルで大きく下落となり、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後、ムニューチン次期米財務長官の指名公聴会で、先のトランプ次期米大統領のドル高牽制発言に関して、長期的な展望に言及したものではないとしたことから、ドルは一段の上昇となった。ただ、終盤には調整の動きなどから、再び上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、中国のGDPなどの発表が予定されており、ここにきて再びチャイナリスク(資金流出懸念、外貨準備高の減少)に対する懸念も指摘されていることから、結果を受けて株価などに動きが出れば、為替市場にも影響する可能性もあり、結果には注目したい。
海外市場では、米大統領就任式、トランプ大統領の演説を控えていることから、様子見ムードが強まり、限定的な動きとなる可能性も考えられる。ただ、ドル高や貿易に関して発言をするとの警戒感があることから、思惑が交錯する可能性も考えられる。
また、大統領報道官から、就任演説は20分程度になると明かしており、動きが出る場合には短時間の動きとなる可能性もあることから注意したい。また、演説内容については、具体的な政策に言及する可能性は低く、具体的なことは2月の予算教書で示されるのではないかとの見方もあり、その場合のケースも想定しておきたい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、高値から反落したものの、底固い動きとなっている。ここから一段の上昇となるのか、再び下げに転じるのか注目したい。上値のポイントは直近高値の115.62となり、ここを上抜ける場合には、上値目標の計算値の115.92が次のポイントとなる。一方、下目のポイントは、114.67、114.40、114.10がポイントなり、ここを下抜ける場合には113.74が次のポイントとなる。