前営業日トピックス
東京市場では、米国市場が休場だったことで新規材料に乏しく、序盤は小動きの展開で始まった。しかし、日経平均株価が下落して始まったことから、円買いの展開となった。
その後、本邦実需のフローを受けて、一旦上昇する場面もあったが、株価が下げ幅を拡大したことや、メイ英首相の演説を控えてハードブレグジットに対する懸念も強まり、投資家のリスク回避の動きから安全資産とされる円を買う動きが優勢となった。
そして、英首相の演説を受けて、一旦買い戻しの動きが優勢となり、英ポンドを中心にドル円・クロス円も堅調な動きとなった。ただ、株価下落などもあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなったものの、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ポンド/円は高値圏でのもみ合いの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、仲値公示前後では、輸入企業のドル買い・円売りが見られ、堅調な動きとなった。
(2)英首相演説を控えてマーケットでは様子見ムードも強まりつつあったが、日経平均株価が午後に入り下げ幅を拡大したことや、米債利回りの低下が続いたことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な展開が続いた。
(3)メイ英首相の演説では、EU離脱の最終案は上下両院で採決することなど、EU離脱交渉を巡る不透明感が後退したとの見方から、一旦買い戻しの動きが強まり、ポンドを中心にドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ポンド/円は、137.21から140.14まで急反発となり、週明けのギャップを完全に埋めた。
(4)一旦戻していた米債券利回りが再び低下したことや、米株価が下落したことから、ドル円・クロス円は再び軟調な動きとなった。ドル/円は、11月30日以来の安値を付ける動きとなった。また、英ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、注目されていた英国首相の演説が終了したことで、ポンドは下落から一転して値を戻す動きとなり、週明けにつけた大幅なギャップを埋める動きとなった。英国のEU離脱交渉の不安があるものの、大きな下落に対する調整となった。
マーケットでは、明日のECB理事会、週末の米大統領就任式に注目が移っている。そのため、東京市場では、限定的な動きも予想されるが、海外市場では思惑が交錯する可能性も考えられる。また、米国の主要な経済指標の発表もあり、結果には注目したい。
1/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.3% | 0.2% |
前回は、市場予想と一致し、4ヵ月連続のプラスとなったものの、8月以来の低い伸びとなった。原油価格の上昇が物価全体を押し上げており、特に、12月は11月より原油価格の平均が約5ドル以上高いことから、予想以上の伸びも期待される。そして、前年比でも2014年6月以来の2%の伸びを超えるのかにも注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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69 | 70 |
前回は、市場予想を大きく上回る結果となり、11年ぶりの高水準となった。今回は、前回から若干低下が予想されているものの、引き続き高水準が予想されている。長期金利の上昇を背景に、住宅市場の失速観測があるものの、トランプ次期政権の住宅業界の規制が緩和されるとの見方も広がっており、当面は堅調な結果が続く可能性が考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ポンド/円は、週明けに大きく開いたギャップを完全に埋める動きとなった。その後は底固い動きが続いているが、ここからの動きに注目したい。
ギャップを開ける前のもみ合いレンジが意識された動きとなるのか、レンジを上下どちらかに抜ける動きとなるのか、注目したい。上値のポイントは140.33となり、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられる。一方、下値はギャップ上限の139.51がポイントとなり、ここを下抜ける場合には138.94が次のポイントと考えられる。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、クロスする場合には下げを示唆する形となることから注目したい。