前営業日トピックス
東京市場では、英国のEU離脱をめぐるハードブレグジット懸念が再燃したことで、ポンドが主要通貨に対して大きく下落し、リスク回避の円買いが強まり、ポンド/円は前週末の海外市場の終値から2円以上の下落となった。また、ドル円やその他のクロス円も軟調な動きとなった。特に、ポンド/円は11月21日以来の安値を付け、ドル/円は113.65まで下落し、12月8日以来の安値を付ける動きとなった。その後は、値頃感の買い戻しなどもあり、値を戻す動きとなったが、米国がキング牧師の生誕記念日の祝日で、主要市場が休場だったことから、狭いレンジ内の動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)メイ英首相が17日の演説でEUの単一市場から離脱することも辞さないとの考えを表明すると報じられ、英国のEU離脱をめぐるハードブレグジット懸念が再燃したことから、英ポンドが主要通貨に対して大きく下落となり、ポンド/円は2円以上ギャップダウンして始まった。ドル円・クロス円は、英ポンドの急落に連動した動きとなり、円買いが先行した。
(2)黒田日銀総裁の「景気は、緩やかな回復基調を続けている」との発言や、機械受注が前月比で悪化したものの、相場への反応は限定的となった。ただ、日経平均株価が序盤から軟調な動きが続いたことから、円買いの展開が続いた。
(3)ポンド下落が一服したことや、ドル/円が113円台で値頃感の買い戻しが優勢となったことから、反発する動きとなった。
(4)米国市場は、キング牧師の生誕記念日の祝日で主要市場が休場となったことから、狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、午後に日本の主要な経済指標の発表が予定されており、結果を受けた株価などの反応などに注目したい。また、休場明けの米債券利回りの動きにも注目したい。
そして、欧州タイム(20時45分の予定、不確定)には、メイ英国首相の演説が予定されており、前日にポンドを中心に大きく下落した要因とされる、EU単一市場や関税同盟から撤退する方針を表明する可能性が指摘されていることから、発言の内容には注意したい。
予想通りの内容なら、ポンドを中心に一段の下げとなる可能性も考えられる。また、予想の内容に反して、ハードブレグジットへの思惑が後退するようだと、週明けから大きく下落した流れに対する反発も考えられる。米国市場では、主要な経済指標の結果や、休場明けの原油や株式、債券市場の動きにも注目したい。
1/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
1月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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8.5 | 9.0 |
前回は、市場予想を上回り、2016年4月以来の高水準となった。今回は、前回の反動から、若干低下が予想されているが、予想の範囲内の結果となり、予想と大きく乖離しなければ、相場への影響は限定的となるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、米市場が休場だったこともあり、小動きの展開が続いた。目先はレンジの上下どちらに抜けるのか注目したい。114.39を上抜ける場合には、一目均衡表の雲近辺が次のポイントとなる。一方、113.93を下抜ける場合には、113.66、113.14、112.89がポイントとなる。