前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が堅調な動きとなったことや、トランプ次期米大統領の会見を受けて下落した流れが一服したことも影響し、堅調な動きとなった。ただ、米債券利回りが低下したことや、原油価格の下落、そして週末のポジション調整も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。米国市場では、序盤に発表された小売売上高が堅調な結果となったことで、個人消費の堅調さが示されたとの見方が広がり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、その後に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が低下したことや、株価が下落に転じたこと、米債利回りが低下したことを受けて、円買いが優勢となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な展開で始まったことや、事実上の五十日(ごとおび)となったことで、実需のドル買い・円売りが流入したことから、ドル/円は堅調な動きとなった。なお、イエレンFRB議長の講演では、米経済や金融政策の見通しには言及しなかった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことや、米10年国債利回りが低下したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、欧州勢が米国の3連休を前にしたポジション調整の動きを先行させたことから、軟調な動きが続いた。
(3)米小売売上高が予想を下回る結果となったものの、前月から大きく伸びたことで、個人消費が引き続き堅調で2016年10-12月期の米経済成長率にも寄与するとの見方が広がり、ドル買いが優勢となった。
(4)ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を若干下回ったことや、先行き指数が低下したこともあり、ドル売りに反応した。また、上昇していた米債利回りが低下したことや、米ダウ平均株価もマイナス圏に下落したことを受けて、ドル売り・円買いが優勢となり、序盤の上昇幅の大半を帳消しにした。
本日のトピックス
東京市場では、先週終盤の流れを受けて、上値の重い動きが予想される。そして、黒田日銀総裁の日銀支店長会議での挨拶が予定されており、発言の内容には注目したい。ただ、米国市場が休場となることから、積極的な売買も控えられる可能性もあり、値動きは限定的となるだろう。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、日足ベースの一目均衡表において、転換線・基準線を下抜けて下げが加速している。ここから、(1)転換線・基準線がクロスする、(2)遅行スパンが価格帯を下抜ける、(3)雲を下抜けるという三役逆転の形状に向かうのか注目したい。(1)は、16日に転換線が115.97、基準線が116.21となることからクロスとなる。(2)は、16日に114.06以下終了、17日に115.06以下で終了する場合には、価格帯を下抜ける。(3)は、達成する場合でも値幅も大きく多少は時間を要するだろう。ただ、(1)(2)だけでも軟調継続の可能性もある。また、オシレーターのMACDでは、両線下向きを継続しており、乖離幅も拡大傾向である。ゼロポイントを両線が下抜ける場合には、下げ継続のシグナルとなる。乖離幅の縮小、先行するラインの下げ勢いの失速など、転換の兆候には注目したい。そして、目先の方向性を見極めたい。